Herb Alpert / Beyond (1980) – Johnny “Guitar” Watson

なんと、Johnny “Guitar” Watsonが参加しています!

A1. Kamali
 2. The Continental
 3. Reach For The Stars
 4. Interlude (For Erica)
 5. Red Hot


B1. Beyond
 2. That's The Way Of The World
 3. Keep It Goin'
 4. The Factory






Herb Alpertの'80年の作品です 大好きなJohnny "Guitar" Watson(私のブログやYoutubeのネームも彼からパクっています。)、弊ブログでは参加作として初めて取上げます。
Herb Alpertは60年代から活躍するトランペット奏者ですが、スタートは50年代後半のプロデュース業で、Sam CookeのWonderful Worldを作った作曲家でもあり、後に一大レーベルとなるA&Mの創始者でもあります。本作はグラミー賞を受賞した前年のRiseに続く作品で、自らプロデュースを担当し、豪華なメンバーを集めてレコーディングされています。
私のレコード漁りは、エサ箱を中心に、主役のみならず帯や裏ジャケを眺めて参加メンバーを確認するのが常なのですが、日本盤の中古だった本作は、帯に書かれたバックミュージシャンの中に、他のセッションミュージシャンやピーターフランプトンと共にジョニー・ワトソンの文字がありました。Herb AlpertはJazz/Fusionの人として名前は知っていましたが曲や演奏は聴いたことがなく、哀愁を感じさせるおしゃれなジャケットもあり、本当にあのJohnny "Guitar" Watsonなのかと疑問に思いつつも、300円だったら外れてもいいかという思いでレジに向かいました。




<ギターの聴きどころ>

早速針を下ろすと、いい感じのMellow Grooveが始まります。聴きながら、ライナーノーツに書かれている個別曲のクレジットを見ると、A1,A3,B2にJohnny "Guitar" Watsonと書かれています!!
A1,主役のテーマのバックで左のダブルストップ、センターのカッティング、右のアコギなど複数のギターが聴こえますので、どのギターがWatsonなのか集中して聴きます。Earnie Wattsのサックス、Alpertのスキャットに続いて、やや左寄りにポコポコ、ペキペキという独特のあのサウンドが聴こえてきました!ユニゾンチョーキングやチョップを交えたプレイ、間違いなくWatsonです。クセの強いサウンドと奏法ながら曲にマッチしています。
主役のテーマからしっとりと始まるA3,右が単音バッキングやオブリ(これもいい感じのギターです。Tim May?)、右がシャープなカッティングです。中盤以降、今度は右寄りからあの音が聴こえてきます。ここでも、ビートに対して微妙に(かなり?)フリーなタイミングながら、甘さを感じさせるプレイが印象的です。
EW&FのB2は、イントロから捲り上げるようなフレーズで参戦しています。オリジナルより若干テンポを上げたアレンジに乗って主役のトランペットがよく歌うテーマを奏でるバックで、タイミングやフレーズなど好き勝手に?オブリを入れているのですが(贔屓目ではなく)違和感なくいい感じに聴こえます。
この組み合わせ、不思議に思ったのですが、Alpert自身のライナーによるとキャリアのスタートの頃から共演していたようです。
Watson,50〜60年代はすっとぼけたヴォーカルと力任せの指弾きピッキングでBluesやR&Bをプレイ(Cornell DupreeがWatsonに憧れてギターを始めたそうです。)、70年代以降は一連のDJM作品など、FunkやMellow風味を加え、電子サウンドも取り入れて枠にとらわれない(いい意味で群を抜いた無節操)新たなサウンドを作り上げてきました。レコードのジャケットや服のセンス含め、全てがダサさを遥かに超越した「カッコ良さ」です。ぜひ聴いてみてください。
セッションギタリストかと言われると自信が無いのですが、Betty EverettやFrankie Lee、Freddie Hubbardなどのアルバムでも客演しています。
山岸さん吾妻さんも大きな影響を受けたようで、Watsonの作品をカバーしています。
なお、初期の曲など、ギターを真似しようとすると右の指には間違いなくマメができるので、コピーの際には健康を守るため最新の注意が必要となります。





Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡ 
Mellow度♡♡♡♡    
お酒のお供度♡♡♡♡  

こんなジャケットなのに泣きのスロウです。

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