Cornell Dupree & Who It Is / Coast To Coast (1988)

10年ぶりのリーダー作ですが変わらぬDupree節でした。

A1. 40 Ozs
 2. Brighter Day
 3. Destiny
 4. J.F.S.
 5. Oh So Sweet

 
B1. Why Is It
 2. Tee
 3. Coast To Coast
 4. Trosa

 
 


Cornell Dupreeが自身のバンド?Who It Isを名義に加えてリリースされた'88年の作品です。Who It Isとは?Who Are They?ということで裏ジャケにはメンバーが書かれています。TeeとChris ParkerはStuffの同朋で、Teeは同じ時期にGadd Gangでも一緒です。
この頃はコンピュータの導入やデジタル機器の急速な普及でスタジオミュージシャン受難の時期ですが、あれほど多忙を極めたDupreeもセッションギタリストとしての仕事が減っていたものと思われ、望まぬ形で自身のリーダー作を作る時間ができたのでしょうか、前の"Shadow Dancing"から実に10年ぶりのリリースです。
本作は、発売時期にはCDプレイヤーをまだ持っていなかったため、LPで買いました。Dupreeは、Stuffの1枚目や3枚目、Joe Cockerのレコードで聴いておりもっと聴きたいと思っていましたが、この頃はDupreeの作品は中古でしか買えなかった(しかも高額)だったためなかなか手に入れることができませんでした。そんな時、たまたまTowerに行ったら新譜のコーナーに並べられていました。ジャケットはフルアコを抱えています。自分はこの頃から既にギターが好き(弾くだけでなく、集めたり眺めたり知識を得たりすることも)だったので、ギターの写っているジャケットが大好物で、Dupreeはテレキャス使いではなかったかなどと思いつつも、当時のTowerでは一番高い白シールの1890円であっても、飛びつくように買いました。
自分にとっては、初めてのDupreeのリーダー作で、良くも悪くも思い出深い1枚です。


<ギターの聴きどころ>

急ぎ自転車を飛ばして下宿に戻りました。(当時は電車代も惜しいので牛込柳町の下宿から新宿や渋谷、茶水まで自転車でレコードを買いに行っていました)針を下ろします。(一丁前に当時からカートリッジはMCでした)1曲目、ロックぽいイントロに違和感、続くエフェクトたっぷりのギターサウンドにも違和感でした。ちょっと失敗したかもと思っていると次の曲はモロにStuff、Dupreeさんのギターも強弱をつけて軽やかに歌っています。でもこれフルアコサウンド?
A3はコーラスのイントロですが、テーマに入ると優しいメロディを焦らすようにタメながら奏でて行きます。後で知ったのですがJacksonsがオリジナルでした。DupreeのギターもMaichaelに負けない表現力です。後半のディストーションサウンドは?ですが。
続くA4でも少し哀愁のあるメロディを紡いでいきます。Teeのピアノソロのバッキングは珍しくシンプルにコードを循環させています。後半のソロは本領発揮です。
A5、タイトル通りSweetな曲です。ギターは空間をたっぷり活かし、ロングトーンで歌い上げます。コーラのエフェクトはニュアンス表現が薄められてしますので不要だった気がします。
B面に行くとピアノとサックスで静かに始まりますが、テンポチェンジし、黒っぽいGrooveに変わります。Stuffでは、とかくGaddのドラムに注目が集まりますが、Chris Parkerのドラムもシンプルながらこういう曲には合う気がします。なお、この曲ではDupreeのソロはありません。
B2では、イントロのカッティング、粘っこいテーマ、メリハリのあるソロとBluesyなDupreeのギターが大活躍です。
タイトル曲のB3、イントロやビートの重さに反し、Dupreeのテーマは軽いタッチで入ります。徐々に熱くなっていき、ソロで盛り上がったままフェイドアウトします。
ラストのB4、ソロギターでしっとりとスタートし、リズム隊が入ってからもタメを効かせて情感たっぷりに歌い上げます。後半の熱さをクールダウンするようにヴァイオリン奏法で幕を閉じます。この曲もコーラスは不要だったと感じました。
1曲目は不安を感じましたが、以降は大満足です。
でも、ジャケットのCarlo Greco? D'Angelico?っぽいフルアコは本作で使われているのでしょうか?"Teasin'"と同様にジャケット撮影用の借り物?






Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡♡ 
Mellow度♡♡♡♡ 
酒のお供度♡♡♡♡

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