Band Of Pleasure / A Tiny Step (1995) – David T. Walker, 山岸潤史
もう一度再結成してくれないでしょうか!
1. Equal 2. B.J. (Basement Of Joy) 3. Overstanding Understanding 4. Long Distance Lover 5. Don't Forget The Greens 6. Bound And Chained (To Your Love) 7. Oh, Happy Day 8. Royal Street Flush 9. Special Lady (Give Me Some Life And Love Is A Righteous Plan) 10. A Tiny Step 11. Try One World
David T.,James Gadson,山岸潤史、清水興、続木徹の日米混成のグルーブ・ユニットのスタジオ録音の2枚目です。前作同様インスト中心ですが、4,6,は歌物で、4,9はGadsonがヴォーカルを取ります。(巨体に似合わぬハイトーンで味があります)7がカバー,11がDavid T.のセルフカバーである以外はメンバーによる書き下ろしで、バンドとしての調和はとれつつも、作者の持ち味が表れているように感じました。全体的には、前作と比較してJazz色が強くなった印象を受けました。 この後、JVC Soul All A Stars を最後に活動を休止しましたが、2015年にはリユニオンライブが行われました。仕事の関係で行けなかったことが心から悔やまれます。目の前のことで忙殺されていると、自分にとって本当に大事なものを見失ってしまいますね。
<聴きどころ>
山岸さん曰く、このユニットはDavid T.にギターを弾いてもらうために作ったそうで、本作でも前作以上にDavid T.のギターが活躍しています。(曲数も多いし)。山岸さんもDavid T.オマージュっぽいプレイを交えながらソロパートが回ってくるとここぞとばかり弾きまくっています。David Tが右、山岸さんが左です。 1は山岸さん、2は興さん、3はDavid.Tの作で、JazzyさとGrooveがうまく溶け合っています。 4,6,9はヴォーカルのバックでのDavid T.のさりげないオブリやシンプルなソロが逆にこのアルバムでは新鮮です。特にスロウの9は甘いサウンドとプレイが鳥肌ものです。 有名なゴスペル曲の7(David T.のソロ作Plum Happyでもやっていました)でも、水を得た魚のように活き活きとプレイしています。山岸さんもDavid T.に触発されたかのようなBluesyなプレイです。 New Orleans調の8,山岸さん作かと思いきや続木さん作でした。それっぽいアコピが聴けます。山岸さんがBluesのフレーズを突っ込み、David T.はサウンドの艶を保ったまま小刻みなノートを畳み掛けてきます。興さんのソロも迫力です。 郷愁を誘うような夕暮れのイメージのある10は続木さんのピアノとDavid T.のギターが語り合っている美しく優しい曲です。 Y-enceでもプレイしていた11は、イントロの雰囲気が大きく変わり、David T.のプレイもよりストレートになっている気がします。山岸さんの緩急のあるソロも見事です。 本作でも、二人ともArtexのギターとPeterson,Peaveyのアンプの組み合わせと思いますが山岸さんは曲によって音色を使い分ける一方、David T. はいつものサウンドです。(アンプとの組み合わせもあろうかと思いますが、Artex時代のサウンドが甘さも艶やかさも一歩抜きん出ているように感じられ、個人的には最も気に入っております。) 80歳を超えたDavid T.とGadsonの年齢もありますが、もう一度リユニオンしてくれないでしょうか?
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡♡ |
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