Chaka Khan / Chaka (1978) – Phil Upchurch, Cornell Dupree

二人のプレイに過剰に期待すると・・・ですが味わい深いです(ホントです)。

A1. I'm Every Woman
2. Love Has Fallen On Me
3. Roll Me Through The Rushes
4. Sleep On It
5. Life Is A Dance

B1. We Got The Love
2. Some Love
3. A Woman In A Man's World
4. The Message In The Middle Of The Bottom
5. I Was Made To Love Him




Chaka Khanの'78年のソロデビュー作品です。Rufusのフューチャリングヴォーカルとして73年にデビュー後、類い稀なる歌唱力で注目を集め、各レコード会社の争奪戦の末にWarnerからデビューしました。Arif Mardinのプロデュースの元、新人では破格と思われる作家と豪華なメンバーが集められ、N.Y.のAtlantic Recording Studiosで録音されています。(一部はL.A.で追加)
Chaka Khanは、FMやTVの洋楽番組で流れるのをなんとはなしに聞く程度でしたが、(ヒットしたA1もwhitney Hustonのカバーを先に聴きました)宮本典子さんがライブで影響を受けたと話しており、興味を持って集め始めました。Rufus時代も含めて(SweetThingなど大のお気に入りです)、ほぼコンプするほどハマりました。小柄で普段は地味らしい(服装にも無頓着)ですが歌わせると急にオーラを発する、と何かの記事で読みました。Jazzの影響を感じるなどと評されていて??と思っていましたが、Echoes Of An Eraを聴いて、なるほどと思いました。いずれにしても、世界最高峰の歌唱力を持つシンガーの一人だと思っております。
しかし、なぜ邦題は「恋するチャカ」?



<ギターの聴きどころ>

ギターは、Phil UpchurchとHamish Stuartのコンビがメインです。(本作の紹介では謳い文句でDupree参加と真っ先に書かれていますが、実は1曲だけの参加です。)
美メロメイカー夫婦のAshford & Simpson作の1、当時流行していたDiscoも意識したダンサブルなナンバーでこれは売れるでしょう。奇しくもCheryl Lynnと同じ年のリリースです。カッティング、左右コンビですが、左は、常に弾きっぱなしでないところにセンスとトンチを感じます。
A2もリズムに関係なく、適当に引いているように聴こえますが、実はツボをリズム隊とのコンビネーションを考えた魔の取り方なのでしょう。
Dupree参加のスロウのA3、右がDupreeと思います。この人も弾いたり弾かなかったりのプレイが得意で、2拍4拍のアクセントやコード刻みを自由に使い分けています。左のUpchurchはもっと自由で、ヴァイオリン奏法などのオブリを気の向くまま弾いています。
キャッチーなA4でも左右のコンビネーションで、右はフリーにオブリをかましています。ソロもリズム無視の3連多用でタメまくりです。結構捻くれ者なのでしょうか?
A5,はパーカッシブなシングルトーンカッティング主体ですが、ブリッジのリフはらしくない音使いで、不思議なムードを出します。かっこいい曲だと思ったらGavin Christopher作なのですね。
B1,Benson先生はギターは弾かずにエロい歌だけです。Upchurchもギターを弾かず、ベースを弾いてます。巨匠二人が勿体無い!
B2では、やや前時代的なチャカポコカッティングが登場します。チャカとのシャレでしょうか?
B3もギターは Hamish Stuartです。他の曲のUpchurchよりギターの露出度高いです。
粘っこいFunkのB4では、Onnie McIntyreとのコンビです。やはり必要以上に弾きません。
ラストのB5もバッキングのみで、ソロはRufusの同胞のTony Madenに任せています。
購入当時はDupreeやUpchurchのギタープレイを過剰に期待していたので、 ギター目線ならRufusの方がいいと感じ、ややがっかりした記憶がありますが、Chaka Khanの強烈なヴォーカルとぶつからないためのアレンジの妙なのかもしれません。聴き込むほど、弾かない(セオリー通りにも弾かない)プレイに、味わいを感じています。

Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

↓でも、ギター的にはこういうのも聴きたかったのですが

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