The Temptations / Power (1980) – David T.Walker

メロウなオブリにグッときます。

 A1. Power
  2. Struck By Lightning Twice
  3. Isn't The Night Fantastic
  4. How Can I Resist Your Love


 B1. Shadow Of Your Love
  2. Can't You See Sweet Thing
  3. Go For It
  4. I'm Coming Home
 





The Temptationsの'80年の作品です。半世紀以上にも及ぶ長い活動歴の中で、常にSoulのトップの座に君臨し、リード始めメンバーの変更こそあれ、多くの名作・名唱を残した偉大なグループです。本作は、Atlanticから古巣Motownへ復帰した第一作で、リードも「耐え難い態度(intolerable attitude)のために、一度はクビになったが復帰しています。(David Ruffinもそうですが、並外れたシンガーしての才能に関わらず、人格面では問題があったようです。)
リリースしたアルバムの多さ、高額な貴重盤の存在など、未だに全アルバムをコンプできていませんが、本作は裏ジャケにDavid T.の名前を発見したこともあり、2枚組ベスト盤のCDに続いて購入した、自分にとって2枚目のテンプスのアルバムです。80年代の終わり頃で、中古で1500円ぐらいだったと記憶します。大ヒット曲やベスト盤に入れられるような作品こそありませんが、David T.やJames Gadsonなどのバックのプレイ、以前と変わらないDennis Edwardsのダイナミックなヴォーカルなど、数あるテンプスのアルバムの中でのお気に入りの一つです。



<ギターの聴きどころ>

個別曲のクレジットはありませんが、David T.は、A3,B2,B3に参加しています。
A3、バスドラとハット(おそらくGadson)に、得意のテロリロのフレーズが載ってきます。もう、これだけでグッとくるのですが、ダブルストップや転がるようなシングルトーンのオブリが続きます。ヴォーカルが入ってからもさまざまなパターンのメロウなオブリでレスポンスし、ブリッジ部では一転してパーカッシブなフレーズでGrooveを作ります。なお、左のカッティングは、当時まだ20歳そこそこのPaul Jackson Jrと思います。(すでにシャリーンカッティングのスタイルが確立されています)
スロウのB2、冒頭の語りがクサいですが、Barry Whiteほどの重さとナルシズムは感じないので自分としては許容範囲です。一方、重いGadsonのバスドラは大好物、などと思いながら聴いていると、曲も中盤に差し掛かろうかという2分30秒ごろ、あのサウンドがひっそりと、しかし突然に入ってきます。左手によるタッチと右手のピッキングで見事にコントロールされたサウンド、後半に行くにつれ、曲の盛り上がりと共に徐々に熱さを帯びていき、冷めやらぬままフェイドアウトしていきます。
同じくスロウのB3、ハープやストリングス、ファルセットのヴォーカルが一貫して甘々なムードを作る中、David T.は後半から参戦し、若干硬めの音でのダブルストップを中心としたオブリで更に甘さを加えます。
他の曲でも、Wah Wah Watsonのいつもの効果音的変態プレイ、若き日のPaul Jackson Jrのカッッティングなど、ギター的にも楽しめるプレイがあります。A2のフェイザーのソロはどなたでしょうか?
なお、David T.は、控えめなプレイではありますが、テンプスの数枚の作品にも参加しています。名セッションギタリスト大集結のMotownカバー盤でもプレイしています。興味のある方はこちらも聴いてみてください。



Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡ 
Mellow度♡♡♡♡
お酒のお供度♡♡♡♡

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