Lou Rawls / She's Gone (1974) - David T.Walker, Larry Carlton
噛めば噛むほど味が出ます。(歌もギターも)
A1. You Don't Miss Your Water 2. She's Gone 3. Feel Like Makin' Love 4. Now You're Coming Back Michelle 5. A Smile Can't Hide A Broken Heart 6. Hourglass B1. Let It Be Now 2. Got It Here To Give 3. Baby You Don't Know How Good You Are 4. Keep The Faith 5. You're A Lady Lou Rawlsの'74年の作品です。R&Bに軸足を置きつつもJazz,Popsまでジャンルにとらわれない幅広い曲を取り上げ、独特な低音が魅力のシンガーです。(その幅広さやエンターテイナーぶりゆえに、ゴリゴリのSoulマニアからは評価があまり高くないようです。)本作でも、William BellのA1,A5、Hall & OatsのA2、スタンダードとも言えるA3などのカバーを取り上げており、独自の世界に染め上げています。なお、Sam Cookeの高校の同級生のようで、同様にGospelから音楽活動をスタートしています。(余談ながら、Sam Cookeも長生きしていれば、Rawlsのように幅広い音楽を歌いこなすエンターテイナーになっていたと思うのですがいかがでしょうか) 60年代前半から、数多くの作品をリリースしており、エサ箱で100円で売られている70年代後半〜80年代前半の作品から、いいお値段の貴重盤までさまざまです。本作は、裏ジャケにDavid T.とCarlton(とRay Parker)の名前を発見して、80年代の終わり頃に購入したRawls初体験盤です。1200円ぐらいでしたが、David T.、Carlton、Joe Sampleの参加もあって、見かける回数が減るとともに値段が上がってきているようです。
<ギターの聴きどころ>
個別の曲のクレジットはありません。 大好きな3人のギタリストが参加していて期待が大きかったのですが、ソロなどはなく初めて聴いた時は地味な印象を受けました。 多くのサザンソウルシンガーが取り上げているA1、左のバッキングは強すぎる二人の個性とは異なるノーマルなプレイなので消去法的にCarltonかと思います。曲の中盤、右から突然、David.Tの粘っこいトーンが絡んできます。 Tavaresも取り上げたA2、左のフェイザーのコード流しはCarlton、右の刻み&オブリがDavid T.と思います。エンディング付近では左もチョーキングのオブリをかまします。 A3は、左右ともアコギです。左のバッキング、Ray Parker、右のよく歌うイントロ、オブリ、短いソロがCarltonでしょうか?(時折David T.ぽい音使いもあり、左Carlton、右がDavid T.だったら世紀の大発見です!) ひときわPopなA4、左のカッティングがRay Parker(でもCarltonもこの時期はクルセなどでこういうカッティング弾いてますね・・・、後半に行くほど盛り上がる右のオブリがDavid T.と思います。 Bobby Blandあたりが歌いそうなBluesyなA5もA4と同じ組み合わせでしょう。後半、微かにドライブサウンドが左から聴こえますがCarlton?) スロウのB1、センターの自在かつ的確なバッキングはCarltonでしょう。 B2、イントロのFuzzサウンドは??ですが、続く特徴的なカッティングと合わせてRay Parkerでしょう。 B3では、David T.が本領を発揮して、お得意のフレーズを連発します。 左右のコンビネーションが見事なB4, 右はDavid T.間違いなしですが、左もDavid T.ぽさを感じさせますが、Carltonでしょう。この組み合わせはMarlena姐さんより少し早いですね。 PopなバラードのラストB5も、それぞれプレイは控えめながらB4と同じ組み合わせと思います。 最初は地味だと思ったこのアルバム、聴けば聴くほど味の出るスルメのようなアルバムでした。日本酒には合わんけど。
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
噛めば噛むほど味が出るスルメ度 | 🦑🦑🦑🦑🦑 |
ベスト盤に1曲入っているだけですね
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