Gato Barbieri / Euphoria (1979) -Eric Gale
![](https://session-guitarist.net/wp-content/uploads/2022/07/R-636472-1395775295-4583-e1657667775114.jpg)
濃い者同士の共演!聴きすぎ注意です。
A1. Theme From Firepower 2. Sophia 3. Carnavalito 4. Lions Also Cry B1. Gods And Astronauts (Errare Humanum Est) 2. Secret Fiesta 3. Speak Low アルゼンチン出身のテナープレイヤー、Gato Barbieri の'79年の作品です。名前はバルビエリと読むようですが、トーンはブリブリブリです。Sanbornをさらにダーティにした感じで、ギターで言えばディストーションがかかったような音です。 Latin Jazzにカテゴライズされており、当時のFusion界の一線級を集めてレコーディングされていますが、パーカッション多用のリズム、哀愁と情熱を感じさせるメロディーなどLatinフレーバーに溢れています。(タイトルはイタリア語で「幸福感」という意味のようです。邦題は「陶酔」でした) 元々、何者かも知らず、裏ジャケのGaleの名前と値段の安さ(Unionのエサ箱で300円)に引かれて購入したのですが、先述の通りの個性的なサウンドに度肝を抜かれました。(A1は、新日時代のスタンハンセンのテーマ曲では?)本作を気に入って、同じくGaleが参加している "Caliente!"やCarlos Santanaが参加している"Tropico"などを続けて買いました。評判の高いFlying Dutchman時代の作品は未聴なので、是非聴いてみたいと思います。
<ギターの聴きどころ>
インナーのクレジットによれば、GaleはA3, B2, B3に参加しています。 南アメリカの地域舞踊を指すA3、左のカッティングで軽快なリズムの一端を担いますが、必要以上に音を小刻みにせず、時に軽やかに、時にザクザクと切り付けるように右手をストロークします。中間部のソロは、突然入ってきて、リズムに乗りつつも独特のタメとツッコミで、ドライブしたサウンドで絞り上げるようなチョーキングビブラートにより咽び泣くようなフレーズを連発します。 JazzスタンダードのカバーB3、かなり大胆なリズムアレンジですがGaleはお得意のヴァイオリン奏法でイントロを飾り、お馴染みのテーマに入ると主に左はカッティング、右はシングルトーンリフでバッキングします。中間部のソロでは、多少硬めなサウンドではありますが、いつものGale節で熱く弾き倒します。これをバックに小さな声で喋っていたのでは聴こえません。 Barbieriのブリブリ(というよりブギョ〜〜〜〜と聴こえます)サクソフォーンと特濃のGaleのプレイのがっぷり四つで、手に汗握るような熱演です。あまりにも濃いので全曲共演しなかったことはリスナーの健康のためにはむしろ良かったかもしれません。 B2、Barbieriの掛け声のバックで始まるアコギによるいかにもLatinというようなストロークプレイ、これ本当にGaleでしょうか? むしろB1でのSpinozzaのプレイの方がところどころGaleオマージュで、それっぽい気がします。(Spinozzaは70年頭のAtlanticではDupree風でした。器用にその時その時で使い分けるのですね・・・)
Emotional度 | ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡ |
お酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
リンク