Peter Frampton Band / All Blues (2019) – Larry Carlton

思い込みや決めつけは良くないと反省しました。

 1. I Just Want To Make Love To You
 2. She Caught The Katy
 3. Georgia On My Mind
 4. You Can't Judge A Book By The Cover
 5. Me And My Guitar
 6. All Blues
 7. The Thrill Is Gone
 8. Going Down Slow
 9. I'm A King Bee
10. Same Old Blues
 


 
Peter Frampton Band の'19年の作品です。イギリス出身のシンガー/ギタリストで、'75年リリースの2枚組ライブ盤が2年後に世界的な大ヒットとなり、端正なルックスもあって当時はアイドル的な位置付けとされるようなこともあったようですが、根っこは音楽一辺倒で不器用なロッカーのようです。(それ故、大ヒット作を持つにも拘らず、音楽ビジネス界で搾取のターゲットとされていまい、経済的には必ずしも恵まれなかったようです)
本作においては、Chuck Ainlayとの共同プロデュースの元、長年のツアーメンバーに加え一部の曲ではゲストを招いて若い頃に散々聴いてコピーしたであろうBluesやR&Bなどの名曲をカバーしています。
大ヒットの頃、そのルックスゆえか日本でも「明星」や「平凡」などにベイシティローラーズなどと一緒に載っていた微かな記憶があります。中学生の頃もヤングギターなどで愛機の3PUのレスポールとともに取り上げられていましたが、特に関心を持つこともなくスルーしていました。その後、"Guitar WorkShop"でのラストの揃い踏みセッション曲”I'm In You”のオリジネイターであることを知り、同名タイトルのLPをセール箱から100円で買いました。(Bメロが来るまで同じ曲には聴こえず、聴き慣れたカバーの方がずっとよく思えました。他の曲も、ヴォーカル的にもギター的にも可もなく不可もなくといった感じでほとんど聴きませんでした。)
情弱な自分には若い頃のアイドル的扱いの印象しかなかったことと、Rockの人がやるBluesは全く好きではないことから、正直なところこのCDのリリース(とCarltonをゲストに呼んでいること)には驚きというか違和感を持ちました。



<ギターの聴きどころ>

Carltonはタイトル曲の6に参加しています。Miles Davisの曲で、Carlton自身もライブ盤”Last Nite”で取り上げています。Carltonは右で、ナチュラルオーバードライブサウンドによるメリハリのあるソロです。ギターは335と思われます。80年代まではほとんどがフロントでしたが、90年代の後半以降センターやリアも多用しており、ここではリアもしくはセンターでリアのヴォリュームを上げたサウンドでピッキングコントロールで表情をつけたプレイです。
ギターでのゲストは7でSonny Landreth、8でSteve Morseが参加しています。いずれも右と思いますが、7はB.B.の印象が強すぎ、8はRock色が強すぎて個人的には特に感じるものはありませんでした。
肝心の主役、これまで持っていた印象(決めつけでした)とは異なり、ヴォーカルもギターも程よく枯れた味わい深いものでした。ギターサウンド(インナーに335を抱え、3つのアンプに囲まれた写真が写っています)は、若干ドライブが強すぎる感がありますが、スロウの3や10初め、よく歌うプレイに感じました。どの曲も聴き慣れたオリジナルと比較してしまうとインパクトの面では及ばない(MuddyやFreddie,B.B.などなので!なお、10は房之助さんや菊田俊介さんもカバーしていてこちらも必聴です。)気もしますが、カバーであることを忘れてPeter Frampton Bandの作品として聴いた方がいいのかもしれません。人生も晩年に近づき、セールスや評判などを意識せずにルーツに立ち返って好きな曲だけを取り上げた名唱と名演、ぜひ聴いてください。自分も印象が一変しました。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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