Leon Ware / Musical Massage (1976) – David T. Walker

18禁の濃密な妖艶さです。大人も昼には聴けません。

A1. Learning How To Love You
 2. Instant Love
 3. Body Heat
 4. Share Your Love
 5. Holiday

B1. Phantom Lover
 2. Journey Into You
 3. Musical Massage
 4. French Waltz
 5. Turn Out The Light

CD のみ
 1.Comfort (Come Live With Me Angel)
 2.Long Time No See
 3.With You
 4.I Wanna Be Where You Are
 5.Best Of Two Worlds





Leon Wareの'76年作品です。Leon Wareは、メロウ&エロソウルの代表のような存在で、Wikipediaにも「メロウでロマンティックな楽曲を作り、官能的な世界を歌うことで日本でも人気がある。」と書かれています。やはりDavid T.が参加しているMarvin GayeのI Want You、Minnie Ripertonの Inside Loveの作者として初めてその名を知り、いつもの通りUnionでレコード漁りをしていた際に、強烈なジャケットともに、本作でその名前を発見しました。裏をひっくり返すと表の続きのデザインに加え、メンバーを見るとDavid T.の名前が!結構いい値段でしたが買いました。家へ帰ってメンバー見比べてみるとJames Gadson (ds)、Chuck Rainey (b)、Ray Parker Jr.(g)、David T. Walker(g)、Sonny Burke(key)、John Barnes(key)、Jerry Peters(key)、Bobbye J. Hall(per)、Gary Coleman(per)と、I Want Youと一緒でした。ソウル誌で調べてみたら、元々I Want Youを自身の作品として制作中であったところMarvin Gayeが惚れ込み、熱望したので譲り受け、バーターでMarvinの口利きで本作がMotownからリリースされたようで納得です。
しかし、2000年代半ばに、未発表5曲を含めたCDをLPの約半額で発見し、悔しいけれど買いました。

<ギターの聴きどころ>

A1のパーカッションとRay Parkerのリズムギター(右)に、Gadsonのドラム(重い!)、囁くようなヴォーカルなど音が重なってきたところにDavid T.のいつもより粘っこいギターが入ってきてきます。時折強く弦を弾くようなプレイも交え、フリーなバッキングです。
A2では、Ray Parkerの右のリズム(音量抑え気味です)そのままに、David.Tも右へ引っ越して、ダブルストップのスライドなどのいつもの決めフレーズでMinnie Ripertonとのデュエットを盛り上げます。
A3は、Quincy Jonesのアルバムでもやっていますが、より粘着的です。A2同様、キレのあるRayとタメるDavid t.のコンビネーションが右から聞こえます。
A4もRayのペケペケリズムギターと重なるように高音部を中心としたDavid.Tのフリーなオブリが重なります。Gadsonのドラム、
スネアひとつとっても重量感あり、トーンを絞ったChuck RaineyのベースとのGrooveがすごいです。
A5では、David T.が右に戻ります。
B1でもエコーの効いたコンガが妖しさを高める中、David T.も時に粘っこく、時に滑らかに音を重ねる官能的なプレイです。
B2は、エロい中にも爽やかを感じさせる曲です。Rayのイントロは、ペケペケを取り越してパチパチになっています。
タイトル曲のスローのB3はイントロから決めフレーズで入りますが、ペチペチソロはRay Parkerに譲り、エンディング付近で再びMellowフレーズを連発します。
B4は珍しいワルツのリズムです。Ray Parkerの返しの所で細かい三連を刻むリズムとフリーにプレイするコンビネーションが聴きものです。
ミディアムスローのB5はエロさに優しさが加わった感じで、ギラギラ感は薄れます。右のMellowフレーズがRayで、左のワウがDavid Tでしょうか?なぜこの曲だけ役割交代?

CDのみのボーナストラックも、本編と遜色ない出来です。二人のコンビネーションも見事です。(5.はピアノのみのバックです)
I Want Youにも収録されている1,4はMarvin Gayeのバージョンと聴き比べてみてください。
2.は少しムードが違いますがMellowです。
3.はサビのメロディーなど何気にキャッチーです。


90年代以降は、あまり露骨にこういうプレイをすることがなくなってしまうDavid T.ですが、Johnny BristolやBarry White、そしてMarvin Gayeなど主役がエロい場合は、エロ楽団の一員として見事なプレイを披露しています。
個人的には、Carlos Santana、Larry Carltonと並ぶ三大エロギタリストだと思っています。(Bluesman除く)
年相応に枯れたプレイもいいですが、時々は本性(本能?)を発揮していただきたいところです、


Emotional度♡♡♡♡♡ 
Bluesy度♡♡♡♡ 
Mellow度♡♡♡♡♡ 色気を通り越してエロ気です。
酒のお供度♡♡♡♡ 

ジャケットを画像にすると怒られた上で削除されてしまうので、ヘタレて本人の写真にしました。

(今まで、Chickenshackなどで怒られています)