Spirit Traveler / Merry Christmas Baby(1993) – Eric Gale,David T. Walker,Phil Upchurch, “Wah Wah” Watson

サンタもびっくりの濃密なBluesです。

1. Merry Christmas Baby
2. Merry Christmas Baby (Short Version)



 
過去に紹介したSpirit TravelerのおまけCDです。初回盤限定の特典なのかよくわかりませんが、確か新宿Virginで新品を買って、封を開けたら無造作にCDが2枚入っていました。Charles BrownのChristmas Bluesの大定番曲をAli Oliのヴォーカルをフューチャーしてカバーしています。この曲はいわゆる3コードのプリミティブなBluesではなく、ストマンを更におしゃれにしたようなJazzyでMellowなムードを持つのですが、このバージョンでは、4人のギターと、熱いAli Oliのボーカルで、濃密なハードボイルドの世界に変わっています。本編を聴き終えてあまりの濃さに驚いていましたが、決して派手なプレイではないものの、ヤクザの親分たちが集まって互いに牽制し合うようなドスのきいた迫力と言いましょうか、本編より更に濃い気がします。Bluesファンの私めとしましては、このおまけCDの方を本編より気に入っております。

ギターマニア、特にフルアコマニアの皆さんへのクリスマスプレゼントとして、インナーの愛機を交えた集合写真を掲載します。(GaleがHeritageのSuper Eagle、David T.がArtexのsignature model、Phil Upchurch がVestaのSignature Model、Wah Wah Watoson が L5-CESです。よだれがでます。)そしてWatsonのファッションがかっこいい!真似しませんが。

<ギターの聴きどころ>

G=Gale、D=David T.、U=Upchurch、W=Watson 名前が長く、登場人物も多いのでイニシャルトークで行きます。ピー音はありません。
イントロのリードはUと思います。バッキングは左がGのオーソドックスなプレイ、右がWのオーソドックスではないサウンドでのワウプレイです。ヴォーカルに続いてのソロ一発目はUです。わりと抑えた入りです。キメの後のソロは、Wでトーキングモジュレーターを全面駆使したこれまでにないBluesギターソロです。続いて、Dです。コロコロと弦の上を転がるような細かいフレーズを積み上げており、Mellowさを失っておりません。次がGで、今回はディストーションは使ってないと思われますが、いつも通りのチョーキングビブラートと強いピッキングで、つんのめるようなフレーズ運びです。再度の決めの後、Uがトリルや弦とびなどトリッキーなフレーズを突っ込んできます。Dも徐々にピッキングが強くなってきてマイナーペンタに移行していきます。最後のGは、逆に空間をたっぷり挟み込んで、出るところ、弾くところのメリハリを効かせます。
エンディングでは、スタジオ内から拍手喝采が起きます。それぞれの熱演を褒め称える拍手だけではなく、やっと終わってこれで打ち上げのビールが飲める、という安堵の拍手に聴こえました。
次のショートバージョン、サウナに長く居れないのと同じで、長く聴くと体力を消耗するので、聴きやすい長さに抑えたのでしょうか?



Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡♡

原曲はこちらです。Mellow!

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