Toots Thielemans – Apple Dimple (1980) – 松木恒秀

もう1枚の共演盤です。

A1. Take The "A" Train
 2. Sunday In New York
 3. Looking For Mr. Goodbar
 4. Honesty
 

B1. Midnight Cowboy
 2. Harlem Nocturne
 3. Still Crazy After All These Years


 
 
世界的なJazzハーモニカプレイヤー、Toots Thielemansの'80年の作品です。'79年の来日の際に来日の際に2日でレコーディングされた日本企画盤です。アレンジと音楽監督を佐藤允彦さんが務め、Playersから松木さん、岡沢さん、渡嘉敷さんが参加しています。正直なところ、それまでToots Thielemansのことは全く知らず、ハーモニカは、Beatlesの1st、BluesHarpとしてのBluesやStevie Wonderぐらいしか聴いたことがなく、新宿Unionでジャケットの林檎(私め、30年以上のAppleユーザーでございまして)に目が行き、裏ジャケに松木さんの名前を発見して、知ってる曲も多い(Harlem Nocturneまで!)ので1200円は少し高いと思いつつもレジに向かいました。

<ギターの聴きどころ>

有名なA1、モダンにアレンジされて松木さんのBluesyなバッキングがリズム隊(岡沢さんのベースが特徴的です)と共にGrooveを作り、透明感のあるハーモニカのメロディが乗ってきます。ソロ含めあんな小さな楽器でここまで表現できるとは!
A2は自身の口笛とギターのユニゾン(Thielemansはギターも上手いようです)からスタートします。やはりモダンにアレンジされていて、松木さんも強めのエフェクトを変えたサウンドでシングル、コードのカッティング、オブリなどを自在に使い分けてバッキングします。
哀愁漂う映画主題歌のA3、(Marlena Shawがヴォーカル)、中盤でまたしても口笛とユニゾンのギターが聞こえますがこれもThielemansと思います。松木さんは右でダブルストップを主としたバッキングに徹しています。
Billy Joelのヒット曲A4では、珍しくドライブサウンドのイントロ(ブリッジ、エンディングでも登場します)です。美しい旋律のテーマに移るといつものスタッカートとテヌートを使い分けたメリハリのあるバッキングに転じます。中盤でははStuffっぽく倍テンでリズムが変わって激しいハーモニカのソロと共にバッキングも盛り上がります。
再び映画主題歌のB1、2拍4拍のカッティングからリズムチェンジ、テンポチェンジに合わせて多彩なバッキングに移行していきます。
Sam Taylorの妖艶なサクソフォンで有名なB2,Groovyなアレンジで、怪しさやエロさは薄れますが、見事なJazzFunkに生まれ変わっています。松木さんもモジュレーション系エフェクトサウンドのバッキングで盛り上げます。ここでも口笛とギターのユニゾンが出てきます。
多くのカバーがあるPaul SimonのB3(松木さん関連だと高田みち子さんが2ndでやってます)、テーマに入って、いつももダブルストップのスライド(入ってきた時ゾクッとします)やハンマリング、プリング、ダブルチョーキングのフレーズがなんとも言えず色っぽく、聞き惚れてしまいます。
本作を機に、Thielemansの参加アルバムを集め始めました。叙情的なハーモニカと口笛とギター、美しいです。(松木さんとのもう一枚の共演盤の名高いKaleidoscopeは難解で残念ながら自分好みではありませんでした。ジャケットも)



Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡   
お酒のお供度♡♡♡♡♡

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