稲垣次郎とソウルメディア / In The Groove (1973) – 松木恒秀

稲垣次郎さんの偉業を偲び、ご冥福をお祈りします。

A1. That's How I Feel
 2. Blue Blood
 3. It's Impossible
 4. Put It Where You Want It
 5. Crazy Medicine

 
B1. Joie De Vivre
 2. Papa Hooper's Barrel House Groove
 3. Thrill Is Gone
 4. Raven Speaks
 5. Samba Chimba
 


 
稲垣次郎さんの訃報を昨日の読売新聞の朝刊で知りました。サックス奏者、バンドリーダー、プロデューサーとして日本の音楽会に多大な貢献をされました。御年90歳、謹んでご冥福をお祈りします。松木さん参加作探しの中で遡りで知った方で、過去のリーダー作は目ん玉飛び出る値段が多い一方、ピンクレディや南沙織さんのライブのバックも担当しており、主にそちら側の安レコ中心に集めてきました。しかし、本作は奮発して購入した'73年の作品を紹介させてください。自身が率いるバンド、ソウルメディアをバックに、前田憲男さんとのアレンジでカバー・オリジナルを交えたJazzFunkを演奏しています。(ライナーノーツにはニューソウルジャズと書かれています)これもライナーに書かれている通り、ボントロの今井尚さんを加えたクルセ構成で、実際にクルセの曲もA1とA4、B2の3曲(ライナーにはB2について言及されていませんが)を取り上げています。当時の日本のJazz界では時代を先取りしたブラックフィーリング溢れた作品になっています。
奮発して買ったといいつつ、私が入手したのは一昨年の限定販売の再発LPです。オリジナルや再発CDは5桁、高いものは6桁!他の作品も聴きたいのですが、そこそこのギターが買える値段で無理・・・・

<ギターの聴きどころ>

裏ジャケやインナーにはメンバーの写真があり、松木さんは長髪を後ろに束ねた細身、晩年の白髪・坊主頭の貫禄に満ちたお姿からは想像できない容姿でいらっしゃいます。しかし、ギタープレイは、荒削りながらその後のスタイルの片鱗を垣間見せています。オリジナルではdavid T.が弾いていた(Arthur Adamsかもしれません)A1のWahプレイ、続くA2,A3でのWahカッティング、A4でのテーマ、B2でのキレのいいGrooveするカッティング、B.B.のB3での泣きのBluesなど、ブラックフィーリングに溢れており、知らずに聴いたら日本人がプレイしているとは思わないでのはないでしょうか?(と言うより、このアルバム自体が日本人の演奏とは思われないほど黒いです。なぜ盤をホワイトにした?)
当時よりGaleやDupree,David T.のプレイを研究していたのでしょう。
ギターはメイプルネックのシンラインでしょうか?足元にはWahも見えます。
ソウルメディアのメンバーは流動的であり、おそらくピンクレディ(ベースはChuck Rainey)や南沙織さんのライブは松木さんではないと思いますが、それを抜きにしてもGrooveを感じさせる演奏です。稲垣さんの偉業を偲びつつ、合わせて聴いてみてください。



Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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