大貫妙子 / Sunshower (1977) – 松木恒秀

 1. Summer Connection (大村憲司、松木恒秀)
 2. くすりをたくさん(大村憲司)
 3. 何もいらない(松木恒秀、渡辺香津美)
 4. 都会(大村憲司)
 5. からっぽの椅子 (松木恒秀)
 6. Law Of Nature (松木恒秀、渡辺香津美)
 7. 誰のために (原宏一)
 8. Silent Screamer (松木恒秀)
 9. Sargasso Sea
10. 振子の山羊(大村憲司、松木恒秀)

Bonus Tracks
11. サマー・コネクション(鈴木茂、松木恒秀)
12. 部屋 (鈴木茂、吉川忠英)
13. 荒涼(瀬戸龍介)




大貫妙子さんの'77年の作品です。2007年にボーナストラック3曲追加してCDリリースされました。StuffのChris Parkerを招いて、音楽監督の役割を果たす坂本龍一さんの元に、のちに大御所になっていく当時の日本の若き俊英(まだ全員20代だったとのことです)が集まり、Chrisのスケジュールん都合もあり短期間で制作されたようです。発表後数十年を経て再評価されており、シティポップの代表格として松原みきさんの"ポケットパーク"と並んで海外でも人気が高い作品で、Wikiはじめネット上でも解説や論評が多数飛び交っていますので詳細についてはご参照ください。(ギターマガジンでも2019年4月号「シティポップスとカッティング」特集で取り上げられています)
確かテレビでも外国からわざわざ買い付けに来た、ということで取り上げられていたような?その昔、日本からJazzやBluesのオリジナル盤を買い付けにアメリカに飛んだことの逆バージョンなのでしょうか?
本作も作品や主役の歌はもちろんですが、松木さんのプレイが聴きたくて購入しました。次作の”Mignonne”を先に聴いていて、本作にも松木さんが参加していることを知り、2007年当時も、LPはそれなりの値段であっても今ほどは高くなかったのですが(せいぜい2500円ぐらい?)、CDのボーナストラックに目が眩んでこちらを購入しました。物欲でお恥ずかしいのですが、こんなことならLPも買っておけばよかった!→ いやいや、レコードやギターが蓄財や転売などカネ儲けの対象になってはイカンですよね。

<ギターの聴きどころ>

ギターはボーナストラック含め、計7人参加(曲名の後ろにカッコ書きしました)しており、1番のお目当ての松木さん1,3,5,6,8,10,11,の7曲に参加しています。
1は、右が松木さんのカッティングです。少し角が取れたようなサウンドと弾き方(David T.のカッティングにも近いように聴こえます)ですが、スタッカートとテヌートを組み合わせで独特のGrooveとなっています。右の大村さんのソロの時だけ、心なしかシャープなサウンドとプレイに変わっている気がします。
3も左からのカッティングで、ここではGaleのようなミュートを強調したザクザク感が加わって、キレもコクも感じられます。通常キレのいいカッティングでは弦を2〜3本しかヒットしないことが多いのですが松木さんはミュート部分では多くの弦を使っているようです。ここでのソロは渡辺香津美さんです。Jazzyで流れるようなソロですが、後半は少し弾きすぎに感じました。(ChickenshackのAt Tempsなど、山岸さんのJazzyなプレイは交流の深かった香津美さんのこういうプレイから影響を受けているのでは?)
5のスロウでは、2コーラス目から左でオブリが入ってきて、ヴォーカルに絡むフリーな松木節でムードを盛り上げます。弾きすぎないところがまた素晴らしい!ギター的にはこの作品の1番の聴きどころです。
6は、2本のギターのコンビネーションで、右のカッティング主体のプレイが松木さんと思います。少し歪んだサウンドでところどころ小刻みなキメやオブリが入りますが、抜群の疾走感です。左は香津美さんでやはり少し歪んだサウンドです。
細野さんのトーンを絞らないベースイントロが印象的な8,ところどころ、Chrisと細野さんがバイテンでリズムを刻み、松木さんも巧みにリズムに乗って一体となったドライブ感がすごいです。
変化のある展開が激しい10、なんとなくJoni Mitchelに通じる雰囲気を感じました。ギターは右が松木さん、左が大村さんと思います。フェイザーのかかったサウンドで、曲の変化に合わせてアルペジオとミュートを多用したカッティングを組み合わせています。この時期のCarltonを思わせるようなソロは大村さんです。
11は、1のシングルバージョンで、松木さんが左、右は鈴木茂さんがシングルミュートで音を重ねます。ここでは松木さんがカッティングのパターンを微妙に変え、合間にオブリで遊んだりしています。ソロは、松木さんが一発目、鈴木さんが二発目です。
松木さん、本作ではストラトでしょうか?
その他の曲での大村さん、鈴木さんのプレイも流石の職人芸で、本作、ギタリストにも楽しめる内容であると思います。
流行が去ったとしても永く聴きたい名作です。






Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡   
お酒のお供度♡♡♡♡ 

まだ売ってますね。

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