Lou Rawls / It’s Supposed To Be Fun (1990) – Cornell Dupree

なんとDupreeとDavid T. が1枚に参加しています!!

 1. It's Supposed To Be Fun
 2. Don't Let Me Be Misunderstood
 3. All Around The World
 4. Good Morning Blues
 5. Moonglows
 6. Any Day Now
 7. This Bitter Earth
 8. If You Gotta Make A Fool Of Somebody
 9. One More Time
10. You're The One
11. I Wonder Where Our Love Has Gone
12. But I Do
13. Good Night My Love
14. The Last Night Of The World
15. Love Me Tender



Lou Rawlsの'90年の作品です。前作"At Last"同様、Blue Noteからのリリースで、1以外は全てカバーとなりますが、この時すでに56歳でさすがベテランの味、通算39枚目に当たるこのアルバムでは、旧Stuffのメンバー含む達人達のバックアップを受け、原曲の良さを生かしつつも自分の色に染めて歌い上げています。(1のイントロを初めて聴いた時は、Al JarreauのCDが間違って入っているのかと思いましたが、その後はその後は昔ながらのR&B調でした。なお、1も意外にLouの低音に合っていていい感じです。)
自分が本作を知ったのはかなり後で、2000年代の半ばごろだったかと思いますが、町田のBook Offのワゴンセール(1枚100円)に置かれているところを救出しました。左右がワゴンセール、中古とはいえ簡易パッケージが施されるBook Off仕様ではなく、剥き出しのままで、コピーをホッチキス留めしたインナーを読むこともでき、確認したところDupreeの名前と、15にDavid.Tの名前が書いてあり、速攻でレジに向かいました。
後で知ったのですが、どうやら自分が買ったのは15のボーナストラックを含む日本盤のようで、なんとタイトルまで有名曲であるボーナストラックに変えられて発売されている恐ろしいジャパンマジック商品でした。(ホンダのCMにも使われた、とライナーノーツには書かれていますが、聴いた記憶がなく、売れたとういう話は聞きませんでしたし、AdlibやJazzlifeで取り上げられた記憶もありません)

<ギターの聴きどころ>

クレジットによれば、Dupreeは1,2,8,11,15以外の曲に参加しています。
頭から聴いたので、ようやく3でDupreeのプレイを聴くことが出来ました。Bobby Blandあたりが歌っても似合いそうなJazz Blues、ウラの強いDupreeのバッキングが左から聞こえて来ます。小音量ながら、一聴してDupreeとわかる個性と存在感です。
4のスロウでは、左で抑えめのバッキングでスタートし、ヴォーカルに絡むように右からヴァイオリン奏法が入ってきます。左右とも音数は決して多くありませんが、ヴォーカルやホーンの返しの合間を縫って絶妙なタイミングでプレイされています。
Popなメロディを持つ5でもヴォーカルの合間に入れる控えめなオブリがいい味を出しています。どの曲もそうなのですが、譜面による細かい指定はなく、フィーリングで自由に弾いているのだと思われます。
やはりPopな6、弾けるようなサウンドも交えたイントロから、バッキングに移っていきますが、いずれも独特のノリです。大好きな曲で、オリジナルのChuck Jacksonはもちろん、多くのカバーがありますが(異色なところでは近藤房之助さんやLuther Vandrossがあります、David T.もBelovedでやってます。Hank Crawfordも!)Louのバージョンもお気に入りの一つです。
7、いきなりイントロのBluesyなギターに痺れます。ギターを弾く方にはわかっていただけると思うのですが、Bluesやこういうスロウではついつい弾きすぎてしまうのですが、オブリも含め肝心なところしか弾かないところしか素晴らしい。ライブで聴きたかった1曲です。
9のバラードも弾かずに聴かせる(酔わせる)プレイです。
10のBluesでもタメを効かせた焦らしのプレイで、ソロも音数が少ないながら抜群のセクシーさです。ギター的には、本作のハイライトでは?なお、'76年の”All Things In Time”収録の同名曲とは別の曲です。
Popな12、お得意の少ない音(弦二本ぐらい?)でコード感を出すバッキングです。
スロウの13では、ダブルストップを効果的に駆使したバッキングです。
14では右に引っ越し、コーラスのかかったちょっとらしくないサウンドです。
日本盤のみの超有名曲の15,David T.のクレジットがありつつ、なかなか聴こえてこないと思っていたら、エンディング付近でやっと控えめなダブルストップなどのオブリが聴こえて来ました。最初聞いた時は、これだけ?という思いもありましたがこれで十分かもしれません。
('93年の”Christmas Is The Time”では、David T.がいい感じに弾いてます!)
キャッチーな1は、今風(当時の)のEMGストラトっぽいサウンドで、Ray Obiedoが弾いています。(リーダー作何枚も出してるようですが未聴です)
Joe Cocker,尾藤イサオさんのカバーや志村けんさんのパロディで日本でも有名な2や、8,11はSteve Khanです。


決して音数は多くありませんが、弾かずに酔わせるギターが好きな方、ぜひ聴いてみてください




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡   
お酒のお供度♡♡♡♡♡♡  飲み過ぎ注意です  

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