Herbie Hancock / Secrets (1976) – Wah Wah Watson, Ray Parker.Jr

ワウワウワトソンとペケペケパーカーの共演(狂宴?)です、濃いです。

A1. Doin' It
 2. People Music
 3. Cantelope Island

 
 
B1. Spider
 2. Gentle Thoughts
 3. Swamp Rat
 4. Sansho Shima
 

 
 
 


Herbie Hancockの'76年の作品です。松木さんのカッティングを聴いていたら、カッティングつながり(タイプは全く別ですが)で本作を思い出しました。Hancockの通算17枚目のアルバムで、'73年のHead HuntersからのFunk路線の延長線上にある作品です。本作でも前作Man-Child同様、一部メンバーの変化はあるものの超重量級のドラム・ベースと、Funkyなギターがアルバムのカラーを決めています。本作でのメンバーなどの詳細はWikiにも書かれているので参照ください。
90年代の中頃、立川の珍屋でたまたま手にしたMan-Childの裏ジャケにDavid T.の名前を発見、1000円ぐらいだったので試しに買ってみました。David T.は1曲だけの参加でしたが自分的にはFunkyなサウンドが大当たりで、新宿Unionに向かい、店員さんに教えてもらって数枚買って来たHancockのアルバムのうちの1枚です。確かそれぞれ700円〜1000円ぐらいでした。そのうち、V.S.O.P.のライブのD面(圧巻!)と本作が特に気に入り当時Funkyなバッキングに興味があったこともあって、しばらくこの2作ばかり聴いていました。(Funk期のHancock期の他の作品にも、WatsonとRay Parkerが参加していてそれらもおすすめです) 

<ギターの聴きどころ>

ギターは、Wah Wah WatsonとRay Parker Jr.の超個性派コンビです。一人でも濃いのに、二人揃うとは!
基本、左Ray Parker,右Watsonですが、曲によって一部変わっていると思われます。(Watson左右にパン飛ばししますし)
A1は左のキレまくるペケペケも右のビブラートがかかったペケペケも、Ray Parkarでしょう。この曲ではWatsonはトーキングモジュレータを使ったプレイとベース(なぜ?)と思います。GadsonとPaul Jackson(Jr.じゃないです)の極太Grooveとキレるギターの組み合わせが最高です。
A2は跳ねるリズムながらメロウさを感じさせます。右のサウンドはいつものWatsonのサウンドですが、効果音的なプレイだけではなく、珍しくしっかりコードカッティングしている部分もあります。
Reggae調のA3でも、Watsonが珍しくギターらしいノーマルなプレイ(シングルトーンのリフ)をしています。左のRay Parkerはペケペケにビブラートを交えたシングルノートカッティングで怪しさを出しています。
B1もウネりまくるリズムに乗って、二人の超個性的なギターが聴けます。Watsonがシングルトーンを刻むとRay Parkerがペケペケで応え、更にWatsonがエフェクティブに反撃、Ray Parkerもユニゾンチョーキングで応戦する激しさです。リズムギターだけでこれだけ熱いとはすごい!この曲はV.S.O.P.のライブにも収録されていてこちらも必聴です。
B2はメロウなムードも感じされる曲で、この曲のカッティングはWatsonと思いますが、ここでも比較的ノーマルなプレイです。Ritenourも後に取り上げています。(もっとのどかです)
B3もFunkビートで、ドラムとベースのコンビネーションに乗ってWatsonもシングルトーン中心にノリノリのプレイです。途中、エフェクトの薄いメロディックなサウンドが聴こえてきて希少です。
ラストのB4、激しいリズム隊と共にWatsonの効果音が炸裂する実験的な作品です。自分的にはちょっと苦手かもです。B2,B3は
主役のHancockより、リズムギター(とドラム、ベースも)に目が向いて(耳が向いて?)しまいます。
この二人弊ブログにも何度も脇役で登場していますが、Soul,Funk,一部の特殊Jazzなど多くの作品に参加し、個性的なプレイを残しています。Funkyなギターが好きな方はぜひ聴いてください。(ギターマガジンの2017年の7月号に二人のインタビュー記事が載っていますのでこちらも読んでください)

以下は、レコーディング終了後の二人の会話の妄想です。
Watson:今日のセッションも疲れたなあ、ノリノリで楽しかったけど。
Parker:先輩(Watsonは4歳上です)、昔俺が譲ってやったL5(本当の話です)まだ使ってるんスね。おどろおどろしくてとてもフルアコの音には聴こえないけど!
Watson:お前のレスポール(DeluxeやRecording)だって薄っぺらいよ!お前のピックや人間性と一緒だな!(ピックは本当です)ストラトだってあんな音出ないよ!
Parker:ひどい言い草だ!先輩みたいに機械の力頼らずに、指でハーモニクスかましたり色々工夫してあのサウンド出しているんですよ!弦細すぎて(本当です、1弦008だったらしいです)よく切れるんで弦代も馬鹿にならないし。ところで、俺今度自分のバンドやるんですけど、かっこいい名前ないっすかね?
Watson:俺と似てるけど"Peke Peke" Parker、ていうのはどうだ!音は名を表す、てな!
Parker:そんなダサい名前嫌っすよ。俺、Bensonさんみたいに歌って弾けるスターになりたいんで!最近Benson先生見習って、ギターよりも流し目の練習とアイプチばっかりしてますよ!(2年後にRaydioでデビューし、その後ソロ名義でもGoast Bustersなど大当たりしました。これは本当です。)
Watson:やっぱりお前は音も人間性もペケぺケで薄っぺらいね!

フィクションです。










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酒のお供度♡♡♡♡♡ 悪酔い必至です

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