惣領泰則とジム・ロックス(1979) – 松木恒秀

2024年5月13日 2024年5月13日

domon@guitar

サウンドやニュアンスを使い分けるカッティング／ミュートプレイです。

A1. Shuttle Loop
 2. Jungle City
 3. Hippo The Angel
 4. Open Your Eyes
 5. Bao Pao
 6. The Star Of The Jungle

 
B1. Orangutang
 2. Live As A River
 3. 脱線特急
 4. 迷路都市
 5. Epilogue
 


 
惣領泰則とジム・ロックスの'79年の作品です。Brown Riceとしてアメリカで活躍後に帰国、ソロ作と並行しつつ串田アキラさんや奥様の総領智子さんと大所帯のジム・ロックシンガーズを結成、本作はジムロックスと改称してリリースされました。惣領さんお気に入りのいつものメンバーがバックを固め、ジャングルシティをテーマとしたコンセプトアルバムに仕上がっています。（聴いて思い出したのですが、B1はNHKの「みんなの歌」で流れていました。）
本作もユニオンで発見、先に聴いていたTinna同様惣領さん絡みということで裏ジャケを見たら案の定、松木さんの名前があり、1500円ぐらいでしたが奮発して購入しました。

＜ギターの聴きどころ＞

ギターは松木さんと津村泰彦さんです。
アフリカンなパーカッションからA1がスタート、ライオンの咆哮でA2に繋ぎます。ドライブサウンドによる左右のコンビネーションイントロに続いて、左はブラッシングを強調したキレのいいカッティングが登場しますがこちらが松木さんと思います。リフやソロも左右のコンビネーションで、ここも左が松木さんと思います。
A3ではシングルミュート主体の中でハーモニクスを効果的に使っています。
A4ではガットによるアルペジオでこれも松木さんでしょうか？
A5もカッティングで、ここではキレに加えて松木さん特有の丸みも感じさせるプレイです。
B1ではコーラスサウンドでのミュートに上がりきらないチョーキングを交え、ところどころ交えるオブリもGaleを彷彿とさせるプレイです。
ドラマティックなスロウのB2,左がコーラスサウンド、右がアコギによるコンビネーションアルペジオです。
B3では3連のキメを入れたのち、ミュート気味なカッティングでGrooveを作っています。
B4も左右ともミュートとカッティングですが、独特のオブリが入るため、この曲のみ右が松木さんではないでしょうか？（あるいは左右両方？）
B5は左のみアコギのアルペジオ　→ ディストーション＋Wah途中止めサウンドでのプレイで、これは津村さんと思います。
決してギターが目立つ作品ではありませんが、曲によってサウンドやニュアンスを使い分けるカッティング／ミュートプレイを聴くことができます。あまり見かけませんが、見つけたらぜひ聴いてください。