弘田美枝子 / My Funny Valentine (1976) – 松木恒秀、直居隆雄

二人のプレイ、聴き分けられません。すみません、教えてください。

A1. My Funny Valentine
 2. Easy Evil
 3. What's Going On
 4. Sweet Love
 

B1. There Will Never Be Another You
 2. You're As Right As Rain
 3. Day Dreaming
 4. My Love





弘田美枝子さんの'76年の作品です。自作曲1曲とJazz,Soul,Popsのカバーで構成される全編英語曲のアルバムです。「人形の家」などのヒットにより、歌謡曲のイメージが強い弘田さんですが、ライナーノーツによれば、元々米軍基地で歌ったり、New Port Jazz Fesに招待されたりしており、Jazz志向が強かったようです。スイングジャーナルでも毎年上位に選ばれていて、テクニック、アドリブのアイデアをもつ数少ない日本のジャズシンガーと書かれています。
バックは、Colgen&Frogman(鈴木宏昌(Key) 石川晶(Per) 村岡健(Sax,Fl) 市原康(Ds) 岡沢章(B) 直居隆雄(G) 松木恒秀(G) 江藤勲(B))で、アレンジもコルゲンさんが担当しています。錚々たるメンバー、本人の意欲的な取り組みだけでなく、レコード会社の期待も大きかったものと思われます。そして、期待通り、達人たちの演奏に乗った堂々とした歌いっぷりです。数年後に訪れる女性Jazzヴォーカルブームをはるかに先取りしていたのですが、その当時もそれ以降もあまり話題に上らなかった気がします。アイドル的な扱いを受けるには余りに大御所過ぎたのでしょうか?
時々見かけていたのですが、いいお値段でしたので、手が出せず、再発盤を買いました。

<ギターの聴きどころ>

ギターは各曲で左右のコンビネーションです。
A1では、左がWahのカッティング、右がタメのあるオブリ中心です。左右でパーカッシブなスライド効果音を挟みます。
A2も左がRay Parkerを思わせるトレブリーなカッティング、右が粘っこいチョーキングのオブリです。CarltonもSinging/Playingでカバーしていましたが共通するサウンドとBluesyなプレイです。
A3も右がカッティング、左がオブリです。(テロリロプレイやダブルストップなどDavid T.ぽいです)
弘田さんのオリジナルのA4,右のギター、Marlena ShawでのDennis Budmirを彷彿とさせるプレイです。左はコードプレイ中心ですが、プリングオフやダブルストップ、スライドのオブリなども挟んでいます。
B1、左がWahのカッティング、右がハーモナイズドチョーキングのオブリでスタートしますが、ヴォーカルにはいると左右が入れ替わります。中盤のギタ-ソロ、後半の小刻みなオブリも左です。エンディング付近ではまた左右が入れ替わります。しかし、この曲をテンポを上げたアレンジでやってしまうとは!そして弘田さんのスィンギーなボーカルの素晴らしさ!
ミディアムスロウのB2では、左が硬質なサウンドでの控えめなカッティング中心、左が柔らかいサウンドでのDavid T.ぽいオブリです。
ArethaのカバーのB3では、比較的原曲に忠実に始まったと思ったら、カウントと共に、スロウながらGroovyな演奏に変わります。左はDupreeとDavid T.を混ぜ合わせたようなプレイから、シングルミュートに時々熱いオブリを突っ込むフリーな演奏です。右はコードプレイ主体ですが時々Wahを噛ませてきます。
多くのカバーがあるB4、コルゲンさんのエレピに乗って弘田さんの情感に溢れた歌が始まります。右はDupreeっぽいオブリ、左も2拍4拍の刻みを主とした地味ながら味のあるバッキングです。
さて、困りました。左右、どちらが松木さんで、どちらが直居さんなのか特定できません。ギターも、ハム・シングル両方使われていると思いますが機種まで特定できません。
以下は仮説ですが、
・曲によって左右入れ替わっている。
・David T.、Dupree、Carltonなどこの当時のトレンドのバッキングスタイルでプレイをしている。(杉本さん含め)
・お互いに影響しあっていたのでフレーズが似てくる。(杉本さん含め)
・1歳年上の直居さんを立てて、松木さんが自分のカラーを少し抑えている。
いずれでしょうか?
今回も紹介にならず大変申し訳ありません。もしお分かりの方がいらっしゃたら是非是非教えてください。
しかし、値段が下がりませんね・・・・










Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡  
酒のお供度♡♡♡♡ 

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