間宮貴子 / Love Trip (1982) – 松木恒秀

4、MellowなサウンドとMellowなギターでとろけます。

 1. Love Trip
 2. チャイニーズ・レストラン
 3. 真夜中のジョーク
 4. 哀しみは夜の向こう
 5. All Or Nothing
 6. 渚でダンス
 7. One More Night
 8. モーニング・フライト
 9. たそがれは銀箔の…
10. What A Broken Heart Can Do





間宮貴子さんの'82年の作品です。プロフィールや現在の状況などもほとんどネット上にもないのですが、本作と1枚のシングルを発表しているようです。シティポップとしての括りで幻の名作として近年再評価されているらしく、オリジナルのLPは6桁の値段がついていて驚きました。(それなりのギターが買えてしまう!)来生姉弟はじめとする豪華な作家陣の作る楽曲と、それを確実に形にする椎名和夫さんを中心とした腕利きのバックの演奏で完成度の高い作品に仕上がっていて、そのMellowさから日本のAORの傑作と評されているようです。
間宮さんのヴォーカルは、多くの方が書かれているように特別な個性はなく、また抜群の歌唱力があるわけでもなく、大変失礼ながらこのアルバムのサウンドやメンバーとの共演以外では、平凡なシンガーだったかもしれません。そこが逆に浮いたり際立ったりすることなく各楽曲に自然に溶け込み、アルバム全体の完成度の高さにつながっているように感じました。
本作は、ネット上での名作との評判と松木さん参加の噂を見て数年前に購入しました。自分は基本アナログ派なのですが、6桁はとても出せない(100円のセール品だったら1000枚単位で買える!)ので、復刻版のCDを定価で買いました。しかし、CDのサイズ、老眼が進行しつつある自分にとっては、ミュージシャンのクレジットがあまりにも小さく、100円ショップに走り、ルーペを買って確認しました。(これこれと同じ値段、しかも消費税までつく、1枚分出費してしまいましたが、このルーペ、今となっては大活躍です。健忘も進行していて、どこに置いたか不明になり2つほど買い足しています)
Aditional MusiciansとしてTsunehide Matsukiと記載されていました。

<ギターの聴きどころ>

個別曲のクレジットはありませんが、1枚通して聴いたところでは、4には確実に参加していると思われます。
イントロの濡れたサウンドととろけるようなフレーズ紛れもなく松木さんです。ヴォーカルが入ってからもダブルストップのスライドなどのオブリでムードを盛り上げます。中間とエンディングの二度のソロでも、タメを効かせつつもスライドを多用して滑らかかつニュアンス豊かに歌い上げています。Mellowなサウンドに溶け込んでいるプレイです。なお、作曲はSoulTarin BandでSaxを担当していた包国充さんです。(現在もLakeside Struttin' Bandとしてタイロン橋本さんと活動を共にされています)
ギターには、数曲で作曲とアレンジも担当している椎名和夫さん(山下達郎さんと数多く共演)と永井充男さん(金子マリさんとバックスバニーのギタリスト)がクレジットされています。この時代特有のチキチキカッティング(コンポーネントストラトのハーフトーン?)や、3,9でのソロなど、多くの曲でのメインのプレイは椎名さんでしょうか?
まあ、本作はあまり参加ミュージシャンやフレーズなどにこだわらず、全体の雰囲気を味わいながら心地よく聴くべきかもしれません。





Emotional度♡♡♡♡ 
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡   
お酒のお供度♡♡♡♡  

Follow me!