Larry Carlton – Discovery (1987)
歌心あふれるアコギプレイが満喫できます。
A1. Hello Tomorrow
2. Those Eyes
3. Knock On Wood
4. Discovery
B1. My Home Away From Home
2. March Of The Jazz Angels
3. Minute By Minute
4. A Place For A Skipper
5. Her Favorite Song
Cartonの'87年の作品です。、本作も全曲アコギです。Warnerではセールス優先で自由にレコード製作ができなかった割に、プロモーションにも力を入れてもらえず機会も与えられなかったとインタビューで答えており、MCAに移籍後に "Alone/But Never Alone"をリリース、本作も同様に全編アコギが使用されています。A3とB3を除く全曲を自作、プロデュースも自分自身、録音も旧知のメンバーと共に自身のRoom335で行い、Warner時代のフラストレーションを払拭するように「やりたい音楽をやりたいように」作り上げたということです。なお、本作もセールス的にも成功したのみならず、グラミー賞受賞作となりました。
しかし、自分は「Carltonはエレクトリック」との浅はかな思い込みから本作もリアルタイムでは聴いておらず、ライブビデオでB3,B5を聴いて、急ぎ"Alone/But Never Alone"とともに購入しました。フュージョンブームの終焉とCD全盛の波により、2作とも破格の値段で中古LPを購入できましたが、もっと早く買っておくべきであったと後悔しきりです。
<ギターの聴きどころ>
"Alone/But Never Alone"では、一部でエレクトリックをバッキングに使用しましたが、本作では完全にアコギのみです。(B5でMIDIシンセは被せていますが)。表裏のジャケ写に335とValle Artsのストラトが写ってはいるもののボカされており、はっきり写っているのはValle Artsのアコギだけで、「これしか使っていない」ことを主張しているものと思われます。
内容については、 "Alone/But Never Alone"と同様の傾向で、美しいメロディを優しく爽やかに、そして歌心(色気?)いっぱいに奏でています。A3でのBluesyなプレイ、B1,B2でのJazzyなアプローチなどギタリストとしての幅広さ、力量も感じさせています。また、アコギの割にはサステインが効いているプレイがあったりしていて、「弘法筆を選ばず」でエレクトリック同様のCarlton節です。今年、去年の来日公演では、B3をエレクトリック(Sireのセミアコ)で演奏しており、全く違和感ありませんでした。335でもストラトでもテレでもL5でも、南野ギターであってもCarltonのサウンドになるのだと思います。(とはいえ、本作での筆もMike McGuire作の至高の1本ではありますが、Mike自身は「他ならぬCarltonの頼みなので作ったが、アコギ製作は大変なのでできればやりたくない仕事」とインタビューで答えていました。しかも。古いMartinと同じサウンド、フィーリングを持つように、というCarltonからの注文付き!)
最近はSireのセミアコのみの使用で、アコギでの録音、ライブ演奏がありませんが、335やストラトなどとともに是非また使用していただければと思います。
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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