Chuck Rainey David T. Walker Band (1994)
夢のような双頭ユニット!
1. Interpretation Of Groove 2. Loving You 3. Feel Like Making Love 4. Born Again Again Again 5. The Windows Of The World 6. I Want You 7. Didn't I (Blow Your Mind This Time) 8. Possessions 9. Body Heat 10. Metroline ’94年の日本企画のLA録音盤です。数々の名盤を彩ったメイセッションマン二人の双頭リーダー作で、Ndugu Chancler(Ds)、Clarence Mcdonald(Key)含め、これまでも幾度となく共演しているメンバーとの息もぴったりあった名演です。Chuck Raineyのオリジナル曲(新作1曲、セルフカバー2曲)とカバーで構成されており、3,6では、Janelle Sadlerというセッションシンガーがヴォーカルで参加しています。前回も書きましたが、80年代後半からDavid T.は立て続けに日本企画盤をリリース、あるいは参加していますがこんな素晴らしい作品ができるとは!Jazz Lifeの紹介記事を見て、発売日を心待ちにしていたことを思い出します。店頭でもネットでもあまり見ませんが、見つけたら是非聴いてください。翌年の吉田美和さんの作品にも(ライブツアーにも)二人が参加しています。
<ギターの聴きどころ>
全てです。 1曲目からいきなりキます。スィングしようぜ、これがグルーブ、というChcuk自身のヴォーカル通り、ノリノリのプレイです。 2.は、On Loveや日本公演のDVD、Band Of Pleasureのライブ盤(収録されてないヴァージョンもあるのでご注意を!)でもやっていますが、よりテンポを落としており、相変わらずの美しさです。 3はRoberta Flackのオリジナルながら、ワタクシ的にはMarlena Shawのバージョンが馴染み深いです。Marlena姉御より上品な仕上がりです。David T.のイントロもバッキングもソロもさすがです。日本では人気がある曲で、数多くのカバーがあり、弊ブログでも、Dupree、松木さん、伸ちゃんのプレイを紹介しています。(今井美樹さんのバージョンでの松下誠さんのプレイも素晴らしいです) 4はChuckのオリジナルで、Born Again にも収録されているファンキーな曲です。David T.はトリルやスライドのメロウバッキングで応戦しています。 Dionne Warwickで有名なBurt Bacharach作の5でも、タメを効かせてテーマを辿りつつもフィルインを交えていつものDavid T.節に仕上げています。 Marvin Gayeの6も、イントロのダブルストップから期待が高まります。ヴォーカルに絡むバッキングが絶妙です。 Delfonicsの7は、Chuckはオリジナルにも参加しており、David T.はPress Onで取り上げています。イントロがちょっと妖しい感じで同じ曲?と思いましたが、テーマに入るとあの美メロといつものプレイです。 8もChuckのオリジナルで、Born Again 収録です。Chuckのダブルストップが凄い! 9は、二人も参加するQuincy Jonesの曲です。オリジナルよりもさらに粘っこいDavid T.のプレイが印象的です。 ChuckとNduguのデュオ10で締めくくります。Chuckのこういうプレイは初めて聴きました。一度フェイドアウトして再度フェイドインする憎い構成です。 全曲濃い曲揃いですが、Adlib編集長の熊谷さんのライナーノーツ通り、アップではChuck、スロウではDavid T.のカラーがより色濃く出ていて興味深いです。David T.はArtexのシグネイチャーモデルです。豊潤なトーンで、個人的にはこの後のカラザース&EMGサウンドより断然好みです。
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡♡ |
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