ChickenShack / ChickenShack III (1987) – 山岸潤史

Black色を強めた3作目です。

 1. Groove Line
 2. The Future Funk
 3. Hold On
 4. Little Light
 5. Ricky
 6. Big Mama Janet
 7. I'm A Good Girl
 8. Perfume
 9. Givin' My Love To You
10. With This Love
11. Shirley (I Shall Be Back)


'87年のChickenshackの3枚目です。(カバー集のLoving Power含めると4枚目です。)本作では、ドラムはMarvin Bakerに変更,Bassも一部の曲でWonell Jonesが弾いています。I、II では、どちらかというとA面(前半)にMellowな曲を並べ、B面(後半)にFunkっぽい曲を持ってきていましたが、本作では頭2曲にHeavy Funkを持ってきて、後半に歌物含めMellowな曲を並べています。また、全二作であったSweet Soulのカバーはなく、全曲メンバーによるオリジナルです。日本的?な情緒は失ってはいないものの、本作より先端のBlack Music色が強くなり、ムードからノリに軸足を変えたような印象を受けました。
発売当時はCDプレイヤーをまだ持っていなかったこともあって、まずLP盤を買いました。しかし、CDにはLPにはない5,6,11が入っており、CDプレイヤーを購入後中古ですがCDを買い直しました。(CDのみのエクストラトラック、単に収録できる時間数の差だけではなく、CD普及のための戦術だったのかもしれません。まんまと術中にはまりました。悔しい!でも、サウンドそのものはLPの方がいいような気がしていました。11月の終わり頃発売になって、その冬はこればかり聴いていました。毎年この季節になると必ず聴く愛聴盤です。

<ギターの聴きどころ>

1はスクラッチ音が入ったりしていて初めて聴いた時はChickenshackもこの路線に変わってしまったのかと不安になりました。2もタイトル通りのFunkでイントロの粘りのあるチョーキング、キレのいいカッティング、Wonell Jonesはじめとしたヴォーカル陣のシャウトがかっこいいです。歌物の3は曲自体は無機質な印象を受けますが、山岸さんのソロは温かみのある音です。4は、ストラトによる流暢なバッキングに乗って土岐さんがテーマを吹き、Darekが熱唱しています。
5はイントロから山岸さんの粘っこくも色気に溢れたタメタメギターでスタートし、テーマに入ると一転してキレのいいカッティング、ソロでまたBluesyなフレーズを連発、と変化が楽しめます。
歌物の7,9ではカッティング中心に巧みなバッキングです。(こんなバッキングができるようになりたいとずっと思い続けてできないまま今に至っております)どちらもキャッチーなメロディーですが、声、歌詞含めなんとなく切ない感じがあるところもたまりません。
夜のムードに溢れる8は、これまでの路線の継承で土岐さんのサックスも本領発揮といった感じです。山岸さんのロングトーンから入るソロも力が入っています。しかし、案外早くフェイドアウトしてしまいます)
10では、イントロのピアノの合間に挟むちょっとしたギターのフレーズがたまらなくセクシーです。(Galeもそうですが、数少ない音でな曲のカラーを決めてしまうところはすごい表現力です。サビに入ってのコーラスのバックでのカッティング、熱く大きなソロ(ディストーションサウンドも泣きのフレーズだったら大歓迎です。)アルバムの最後を飾るにふさわしいドラマティックな曲です。と思ったら、CDはもう1曲ありました。余韻に浸るにはいいけど、山岸さん参加してないっぽいし、個人的には10が最後の方が良かった気がします。
インナーには、小型のフルアコ(おそらくInanezのGB-10)が写っています。3と5のソロがこれで、あとはストラトと思います。


Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡♡

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