Dave Grusin And Dream Orchestra / Live At Budokan (1982) – Eric Gale, Lee Ritenour

華麗なRitenourと貫禄のGale、対照的なプレイです。

 A1. Shuffle City
  2. Count Down
  3. Serengetti Walk
  4. Theme From "The Champ" "What Matters Most"


 B1. Number 8
  2. Three Days Of The Condor
  3. Summer Sketches '82
 


Dave Grusin率いるDream Orchestraの'82年の作品です。9人のJazz,Fusionのスタープレイヤー9名をフロントラインに配し、加えてストリングス・ブラスアンサンブルによる49名の大オーケストラがバックアップ、スケールの大きなコンサートであり、当時に日本でのFusion人気とレコード会社の方々の熱意が伺えます。同年の7月7日に行われた武道館でのライブからセレクトされたベストテイク集です。(本作には収録されていませんが、Michael Franksと中本マリさんもヴォーカルとして参加していたようです。そっちも聴きたい!)
しかしながらFusion人気(とオーディオブーム)の終焉とともに、内容や音質の良さなどとは無関係に、この手のレコードはエサ箱送りになってしまい、私のような安レココレクターの元で波乱万丈の生涯を終えることになるのです。500円以下とはいえ、捨てられるよりは幸福と思います。




<ギターの聴きどころ>

ギターはRitenour (左)とGale(右)です。(ソロ時はセンターに配置)
Daveの弟のDonのオリジナルのA1,Gaddが叩いてGaleが刻むとStuffっぽいですが、Ritenourが流麗なソロを入れてくると雰囲気が一変します。しかし、自分としてはマイペースに裏をカッティングし、後半チョロっと タメのチョーキングなどのオブリを入れるGaleのプレイに惹かれますね〜。
A2はRitenourの”Rit”からのナンバーでカッティングプレイのイントロ(2分以上!)からテーマ、ソロまで、当時のギターファンに向けてのサービス精神溢れるプレイでRitenourのギターが大活躍です。Galeにソロを廻すかと思いきや、Gaddの短いソロだけでした。Ritenourさん、割と自己主張強い?
リーダーのアコピがメインとなるA3,Ritenourが様々なパターン・サウンドのバッキングであるのに対し、Galeは淡々とコードを刻んでいます。
オーケストラによるA4ではリズム隊は休憩のようです。
コンサートではオープニングであったというB1,Ritenourが華麗なソロを披露しているのとは対照的に、ここでもGaleは控えめなバッキングに徹しています。
ムーディーなB2,Ritenourの多彩なバッキングパターンに乗せて、満を持してのGaleのソロプレイが入ります。一徹なOne & Onlyのプレイ、貫禄に満ち溢れています。贔屓目かもしれませんが、Ritenourがどんなに技を繰り出しても。この1発でGaleの圧勝に思えます。
作者のDave曰く、シンフォニックジャズとして、オーケストラをフューチャーしたB3で幕を閉じます。14分の長尺、9分過ぎにGaleのソロが入りますが、ここでも我が道を行っています。GaleのプレイにGaddが呼応するところが長年の関係性を感じさせます。その後、Ritenourの鼓膜音を刻んだソロに続きますが、Galeの存在感には及ばない気がします。
GaleはいつものSuper400ですが、フロントピックアップのカバーを外しており、ゼブラのボビンが見えています。ピックガードもFホールに合わせてカットしています。。Ritenourはこの頃エンドースしていたIbnaezの自身のモデル、LR-10です。
華やかなRitenour、貫禄のGale、二人の対照的なプレイは"Sugar Loaf Express"でも聴くことができます。
爽やかな笑顔と苦味走った表情も対照的です。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡ Galeのソロ一発で空気が変わります 
Mellow度♡♡♡♡
お酒のお供度♡♡♡♡

US版のようですが同じ内容です

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