Eddie “Cleanhead” Vinson / You Can’t Make Love Alone (1971) – Cornell Dupree

異物混入感が残念ですが、聴きごたえ十分です。

 A1. Straight No Chaser
  2. Cleanhead Blues
  3. You Can't Make Love Alone 


 B1. I Had A Dream
  2. Person To Person
 




Eddie "Cleanhead" Vinson の'71年の作品です。Texas出身のシンガー&アルト奏者としてBluesとBig Band Jazzを跨いだ領域で活躍し、特徴的な髪型?とニックネームとともに、多くの名演を残しています。本作は同年のMontreuxでのライブ録音で、Purdie、Rainey, Dupreeなどを従え、ゲストにはLarry Coyellを招いて、堂々たるシャウトを聴かせています。
本作もギターマガジン’11年8月号のDupree特集記事の参加作品一覧で存在を知りました。Vinsonは、Etta JamesとのLive盤(ギターはSuggie Otisです)など数枚を聴いており、太く深みのあるシャウトと軽快さと重厚さを併せ持つノリを気に入っていましたので早速探しに行きました。幸いにも新宿Unionですぐ発見できました。トレードマークのクリーンヘッドを帽子で隠し、さらに両手で押さえて「恥ずかしいいから見ないで」と言わんばかりのプリティな?ジャケットがインパクト抜群です。裏面には確かにDupreeの名前があり、別のギタリストの名前がもう1名載っていて???でしたが、速攻で購入しました。結構いい値段だった記憶があります。



<ギターの聴きどころ>

おフランスなナレーションによるメンバー紹介に続いて、ノリのいいシャッフルが始まります。Dupreeは自在なバッキングで譜割りを無視した主役のアルトを焚き付け、ソロが回ってくるとこれまた譜割を無視してフィンガーボードの上を縦横無尽に動き回るようなプレイを聴かせます。単音の切れ目にコードを一発入れてくるいつもの合わせ技がキマっています。
スロウBluesのA2でも9th多用のコードバッキングです。コードのスライドや、コードにビブラートをかけるプレイ、スタッカート気味の刻みなど、さまざまなパターンを駆使し、ムードを盛り上げます。
タイトル曲のA3もスローBluesです。Vinsonが、Larryの名前を連呼し、Larry Coyellをステージに呼びます。悪い予感・・・私のCoyellのイメージはロックもどきのサウンドでむやみやたらと速弾きをする人で、ビルゲイツのような風貌と相まって(アンチWindowsなので)、好んで聴きたいと思わないギタリストの一人です。最初は様子を窺っていたのか、ひっそりとバッキングをしていましたが、中盤に差しかかると案の定歪みサウンドで入ってきて、過剰な強弱やビブラートで曲のムードを変えてしまいました。
B面にひっくり返すと、同様にスロウながら、ノってきたのか、Vinsonのシャウトにも一層の熱がこもります。この曲でもヴォーカルのバックでは比較的抑えめなプレイですが、ソロに入るとフレーズそのものはBluesなのですが、フィードバックや速弾きを交えた「見せる」プレイに聴衆は大喜びなのですが、私はドン引きしてしまいました。同じLarryでもCarltonだったら良かったのに!(Coyellファンの方申し訳ありません。あくまで好みの問題です。)
アンコールと思しきB2もスロウです。ここでは、Coyellではなく、Dupreeのツボを押さえたバッキングに戻っていて安心しました。ブレイクに続くエンディングの盛り上げもタメを効かせた「聴かせる」プレイで、同様に聴衆の喝采を受けています。フェスの一部なので5曲、30分弱の短い収録時間であることと、異物混入感が残念ですが、大御所の黒光りする(アタマと)ヴォーカル、PurdieとRaineyのGroove、Dupreeのいつものプレイ、聴きごたえは十分です。その後レコードはあまり見ませんが、サブスクにもあるのでぜひ聴いてください。






Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡ 
Mellow度♡♡♡
お酒のお供度♡♡♡♡
A3,B1の異物混入感?????

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