Stuff / More Stuff (1977) – Eric Gale, Cornell Dupree

洗練感とオシャレ度が増しましたが二人のプレイは揺るぎません。

A1. This One's For You
 2. And Here You Are
 3. Subway
 4. Love Of Mine

 
B1. Honey Coral Rock
 2. Sometimes Bubba Gets Down
 3. As
 4. Need Somebody
 


 
Stuffの'77年の作品です。2ndにあたりますが、Moreの言葉の意味を深読みすると、初めはセッショングループとして1枚のみのレコードリリースだったとところを、思いの外売れたので「もう1枚」出したということでしょうか?プロデューサーはTommy LiPumaから共演の多いVan McCoyに変わり、アルバムとしての統一感や洗練された感、聴きやすさは感じる一方、自分がMcCoyの音作りが苦手なせいもあるのでしょうが小さくまとまってしまった感も否めません。Discoを持ち込まなかっただけ良しとすべきでしょうか?ジャケットのデザインもおしゃれ路線に変わっており、売る気満々だったのだと思われます。
中高生の頃から1stはギターの名盤としてギター誌に取り上げられており、NHK-FMの”軽音楽をあなたに”での「My Sweeetness」でStuffの名前を知り聴いてはいましたが、先にLPを買ったのはGaleの”Island Breeze”とJoe Cockerの”Stingray”でした。それでハマってStuff,Gale,Dupree,二人の参加作のレコードを買い集めていくことになりました。本作は日本盤の中古で、セール品でより安かったこともあり、1stより先に上京直後に手に入れました。すでにFusionブームは去って、メディアもCDに移っており、中古LPが300円でした。

<ギターの聴きどころ>

Gadd?のカウントからすでにかっこいいA1,テーマのTeeのアコピとオルガンは重ねでしょうか?軽やかなカッティングがDupree,ポコポコミュートがGaleで、タメとツッコミのソロはGaleです。
Teeの抒情的なエレピが美しいスロウのA2,後半は本物のヴァイオリンが入りますが二人に弾いてもらいたかったところです。(その願いは"Stuff It"の「Gordon's Theme」で叶えられていました。異名同曲?)
Gaddのハットワークが印象的なA3,ここでのテーマはDupreeと思います。1音半チョーキングやヴァイオリン奏法も交え、いつもより硬めのサウンドがGroovyです。テンポが変わるのと同時にいいGaleの推しの強いソロに引き継ぎます。左右のコンビネーションバッキングもリズムが被らないように工夫されていて流石です。
自作のキャッチーなメロディをGordon Edwardsが歌うA4、イナたいダミ声のヴォーカルに常に寄り添うGaleのギター、ダブルストップによる甘いフレーズも、美しきワンパターンのBluesyなオブリもシビれます。個人的にはこの曲が本作で一番気に入っています。しかし、邦題が「あこがれの君」とは!
Galeの幻のソロ作”Negril”にも入っているB1(先に聴いたのはこちらですが)、B面では左右交代し、右からのテーマと最初のソロがGaleです。左のDupreeのソロに続いてラストは掛け合いしながらフェイドアウトします。Dupreeは、この曲では増設されたセンターピックアップを使っているのかハーフトーン的なサウンドです。わざわざ改造している割にはほとんど使っていないと思われ、その意味では貴重ではないでしょうか?
邦題「ブラザーがのった時」のB2、タイトル通りダブルドラム含めバンドが一体になったノリを感じます。ギターの二人もシンプルなリズムを刻むだけですが独特のGrooveを生み出しています。ソロはGaleです。
Stevie WonderのカバーのB3,軽いストロークの左のDupreeとザクっと音を切る右のGaleのコンビネーションが見事です。我が道を行くGaleのソロもいつも通りです。
TeeのヴォーカルをフューチャーしたB4で幕を閉じます。ミディアムスロウからテンポチェンジしたところなどでのDupreeの独特のカッティングと、Galeのタメを効かせたオブリ、後半の掛け合い、ここでも絶妙のコンビネーションです。なお、後年この曲をRobben Fordがソロ作でカバーします。
達人たちのリラックスしつつ個性に溢れたプレイ、ぜひ聴いてください。




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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