Grover Washington, Jr. / Feels So Good (1975) -Eric Gale

薄味な主役とコテコテのバック。主犯はGale?

A1. The Sea Lion
 2. Moonstreams
 3. Knucklehead


 
B1. It Feels So Good
 2. Hydra


 


 
Grover Washington, Jr.の'75年の作品です。Kuduからのリリース、Creed Taylorプロデュース、Bob Jamesアレンジで、バックもCTI・KUDUファミリー中心です。ということで、サウンドの方も安定のクドさで"Winelight"以降のクリスタル感はありません。表裏のジャケットもクリスタル感はありません。(胸毛はあります)。Louis Johnsonが加わったリズム隊の重さもいつも通りで、BJのホーンやストリングアレンジも他のCTI,KUDU作品と比べると抑え目ではありますがいつも通り過剰です。数ある楽器群の中で主役のサックスが一番薄味とは!
"Winekight"以降の80年代作品は、100円など安箱の中で投げ売り状態でしたが、70年代の作品はCD化が遅れたこともありそれなりの値段でした。本作も90年代の半ば購入、輸入盤の中古が2000円ぐらいだったかと思います。Gale参加の1枚として購入しました。



<ギターの聴きどころ>

ウネリのあるFunkのA1,やや古めかしいホーンやストリングスが刑事ドラマのワンシーンであるかのような雰囲気を作っています。Galeはシングルミュートと切れ味鋭いカッティングで緊張感を高めています。
幻想的なスロウのA2、Galeのプレイも一転して優しいタッチとピッキングで主役とメロディーを分け合います。ソロでもタメのあるチョーキングに休符をたくさん挟み、情感たっぷりに歌い上げます。ソロからバッキングに移った時のプレイも美しい!その後も主役と並走しますが、明らかにGaleのインパクトが勝ります。
再びFunkyなA3,ここではタッチWahをかましたサウンドでシングルノートやコードをフリーにカッティングします。後半のソロではFazzまで噛ませて、とてもSuper400とは思えないサウンドです。エンディングに向けてのカッティングも切れ味と重さが並立しています。
タイトル曲のB1もFunkyです。Louis Johnsonの重く弾むベースに呼応するように左から6thを効果的に使ったシングルートーン、右からカッティングの重ねプレイでGrooveの一端を担います。後半のソロ、サウンドは他の曲よりナチュラルですが、プレイそのものはトレモロピッキングの多用や早いパッセージ、高音部でのチョーキングなど熱がこもっています。2年後、似通ったタイトルの曲をChuck Mangioneが爽やかに演奏し大ヒットさせますが、「Feels So Good」のコンセプトがこの曲とは全く違うように感じられます。
ラストもFunkです。テンポを落とした分リズムはさらにヘヴィに感じます。GaleはAメロでシングルミュート、Bメロではオシャレ感も感じさせる進行でのコードプレイですが、ピッキングの強さや音の切り方、カッティングの最後に数音入れるつなぎのフレーズなど、相変わらずの個性を発揮しています。
1枚通してみて、アルバムのサウンドをコテコテにし主役の存在感を薄くした主犯はGaleのように感じます。(陰でそそのかしているのがCreed TaylorとBJ)。それぐらいクセの強すぎるサウンドとプレイです。これで主役が濃かったら阿鼻叫喚の世界に入ってしまうので、主役があっさりしていることで作品の全体バランスが保たれたのかもしれません・・・でも、二郎ラーメンで、麺だけが細麺のようなアンバランス感もあります(特濃スープ=リズム隊、マシ野菜=過剰なホーン&ストリング、極太チャーシュー=Galeのソロ、マシマシニンニク=Galeのバッキング、そうめんのような細麺=GW Jr.のサックス)
早くクリスタルな世界に行きたい・・・・・・(By Grover Washington Jr.)











Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡
二郎ラーメンは太麺が良い度♡♡♡♡♡

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