Grover Washington, Jr. – All The King’s Horses (1972) – Eric Gale

クリスタルに磨かれる前の原石の輝きです。

A1. No Tears, In The End
 2. All The King's Horses
 3. Where Is The Love
 4. Body And Soul (Montage)

B1. Lean On Me
 2. Lover Man
 3. Love Song 1700

 
 
昨日、上野の国立科学博物館博物館に宝石の特別展を見に行ってきました。見事にカットされた美しい宝石もさることながら、自然の姿のままの原石の美しさに心惹かれました。(元々鉱石マニアなもので)
ベタな前振りですが、Grover Washington Jr. の’72年作品です。'80年のWinelight(邦題:クリスタルの恋人達)で日本でも一気に知名度を上げたようですが、この頃にはまだアレンジ、本人とバックの演奏とも荒削りながら、丁寧に磨かれる前の原石の輝きがあるように感じました。
Kuduからのリリース、プロデュースはCreed Taylor、アレンジはピアノもプレイするBob Jamesです。メンバーは裏ジャケ記載の通りの豪華な顔ぶれで、Wikipediaでも解説されています。(Ron Carterがエレベを弾いてます)Gale,Tee,Ralph MacDonaldなどWinelightのメンバーとの被りもありますが、それまでの8年間に数枚のリーダー作を出しており、時代を追う(あるいは遡る)ことでサウンドの変遷を確かめることも面白いと思います。

<ギターの聴きどころ>

PurdieとGordon Edwardsのリズム隊に先立ち、シングルノートからスタートします。ワウのオブリをかました後、テーマではカッティングに移行します。ギターも、主役のSaxも、Bob Jamesのエレピも本質は変わらないながらこの時期はイナタイです。
Arethaの2では、指弾きと思われる弾けるサウンドでのソロとお得意のダブルストップのバッキングが印象的です。
Roberta FlackとDonny HathawayのDuetを早々とカバーしたA3のソロも珍しく音数が多いですが(ちょっとだけBenson風です)、味わい深いです。右のカッティング、シンコペーションと音の切り方からDupreeと思います。
スタンダードのA4,アルペジオもGaleでしょうか?(ガットギターは?)途中からリズムが変わるとザクザクとしたカッティングに変わって行きます。
Bill WithersのB1(この頃から縁があったのですね)、イントロのきめのフレーズやレゲエ調のカッティングと、初期のQuincy Jones風のホーンがアンバランスかと思いきや意外にマッチしています。ソロはタメとツッコミの典型的Gale節です。
やはりスタンダードのB2,この曲だけソロはDavid Spinozzaです。Galeに寄せてきているサウンドとプレイですがあそこまでのクサさはなく、どことなくスマートです。
SpanishやClassicの要素も入り混じったA3は、Galeではないと思います。
この頃から既にSuper400と思いますが、サウンドは芳醇というよりはワイルドです。
フルアコでのカッティング、80年代以降のストラト+コーラス(ソロはディストーション)の単一的なサウンドとは違う魅力があります。見た目にもデカくてゴージャスで痺れます。





Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡  
酒のお供度♡♡♡♡

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