John Klemmer / Barefoot Ballet (1976) – Larry Carlton

透明感と哀感を漂わせたアコギプレイです。

A1. Barefoot Ballet
 2. Forest Child
 3. Crystal Fingers
 4. Whisper To The Wind

 
B1. Poem Painter
 2. At 17
 3. Talking Hands
 4. Rain Dancer
 5. Naked
 


 
John Klemmerの'76年の作品です。正統派JazzからJazz Funk,Fusionまで幅広く演奏するサックス奏者で、邦題「裸足のバレリーナ」とされた本作では、どことなく哀愁が漂う曲をメロウに歌い上げています。小編成のバンド、空間の多さと透明感を感じさせるサウンドでもあります。しかし、表裏のジャケ写はバレリーナに扮するKlemmerであり、内容とは裏腹の趣味の悪さを感じました。大きなお世話ながらレコードのセールスに悪い影響があったのではと心配してしまいました。このころからアメリカは多様性重視だったのでしょうか?
Carlton参加の"Hush"でKlemmerを知り、本作も裏ジャケにCarltonの名前を発見し、新宿Unionジャズ館のセール箱で購入ししました。20%オフで1,000円弱だっと思います。

<ギターの聴きどころ>

裏ジャケの個別曲のクレジットによると、CarltonはA1,A3,B2,B3の4曲に参加しています。全てアコギです。
Dave GrusinのエレピによるイントロがそれだけですでにメロウなA1,主役はそれほど感情過多になることなくテーマやソロを奏でます。(これがSanbornやロイクな人々だったらもっとブリブリ行っているので、比べると少し物足りないように感じましたがあまり熱くならないところがこの人の魅力なのでしょう)Carltonはひっそりとアルペジオでバックアップし、後半にはコードを崩したような静かなソロもあります。
A3もミディアムスロウでスタート、途中でLatin調のリズムで倍テンになり、最後は再びしっとりと締めます。Carltonはテンポに合わせ的確なバッキングでサポートしています。
タイトルより17歳の頃を回想したと思われるB2、暖かく郷愁を誘う曲です。ここでもアルペジオでひっそりとバッキングしています。
やはりミディアムスロウの哀感のあるB3、ブリッジ部のオブリからソロに自然に流れていきます。アコギであっても流麗なフィンガリングと巧みなピッキングコントロールで、フレーズの切り方や休符の使い方も絶妙で、ストーリー性を感じさせるロングソロです。後半はコードストローク、アルペジオ、オブリなど様々なバッキングで主役を盛り立てます。"Alone But Never Alone"以降、自身のソロ作でもアコギをフューチャーした曲をプレイしていますが、すでにこの頃からプレイスタイルが確立していたことを示しており、ギター面では本作のハイライトです。
メロウで聴きやすい一方、90年代以降の無機質なSmooth Jazzとは一線を画したヒューマンさや暖かさを感じる1枚、バレリーナに成り切って踊りながら聴いてください。







Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

John Klemmer – Barefoot Ballet

Follow me!