Kaleidoscope Featuring Toots Thielemans & Tsunehide Matsuki (1980)

松木さんの5周忌にあたりこのアルバムを改めて聴きました。

A1. Fall Forever
 2. Dried Flower & Dried Love

B1. Ivory Islands
 2. Cadillac
 3. Fancy Prance
 


 
今日6月18日は松木さんの命日です。2017年の今日、ネット上に最初にニュースが流れたときには俄には信じられませんでした。もう5年も経つのですね・・・・。唯一無二の存在、その後も松木さんの参加作を聴き、Disk Unionに行くたびに裏ジャケを眺めては松木さんの名前を探す日々を続けています。
本作は松木さん参加作として昔から有名な'80年の作品です。松岡直也さんの作曲、アレンジした楽曲をToots Thielemansと松木さんをフューチャーし、松岡さん人脈など国内の俊英たちを集めてほとんど一発録りでデジタルレコーディングされたそうです。ライナーノーツには本作企画の経緯、ハーモニカ嫌いの松岡さんのレコーディングを終えての気持ちの激変、Tootsや松木さんのキャリアやエピソードなど興味深い内容が詳細に書かれています。(デジタルレコーディングの仕組みや優位性についても!この部分、今読むとなんだかなあという感じですが)
本作は、見かける頻度はそれほど低くなかったのですが、Unionやレコファンでは常にいい値段のため手が出せずにいましたが、95年ごろに高円寺のレコード店で1500円ぐらいで売っているのを見つけてGETしました。
長尺の曲や、キメの多い複雑な構成の曲が多いので、買った当初はシンプルなものが好きな自分には??なところもありましたが、5周期にあたり改めて聴いてみると松木さんの個性の強さと上手さが際立っています
しかし、このジャケットは、今だったらヤバいデザインですよね。(幸い、Yutubeの検閲には引っ掛かっておりません。これまで、ChickenshackⅤとMichael FranksのObjects Of Desireで性的描写はいかん!と怒られ削除されましたので、裏ジャケで再掲載しました。しばたはつみさんのLots Of Loveは今のところ大丈夫なようです)
Tootsと松木さんはApple Dimpleでも共演しています。


<ギターの聴きどころ>

フューチャーギタリストは松木さんですが、重ねのない一発録音、杉本喜代志さん、安川ひろしさん、土方隆行さんも参加しています。
A1、松岡さんのピアノのイントロに続きTootsの叙情的なハーモニカが入り、ポンタさんの少々大袈裟なドラムフィルが色を添えます。左の松木さんのキレの良いカッティングによりテンポが決まり、Tootsのハーモニカがメロディを奏でます。中盤のアコギのソロは安川さんで、チョーキング等を交えて流れるようなエレクトリック的なプレイです。向井さんのボントロソロもあり、11分の長さを感じさせません。
キメの多いA2,テーマを松木さんが奏でます。最初はオクターブ奏法等交えつつも比較的素直にメロディをプレイですが、徐々にトリルや三連畳みかけフレーズ、タメたチョーキングビブラートなどGale的なプレイに移行していき、ロングソロをドラマティックに弾き切ります。清水さんのテナー、土岐さんのソプラノソロのバックではシングルトーンを主体としたバッキングでこれもGale風です。右のバッキングは杉本さんです。
松岡さんらしいムードを持ったB1、ここでも松木さんがGale風のサウンドとフレーズでテーマをプレイします。ソロでも、間に差し込むダブルストップスライドや高音部でのチョーキング、音の切り方などもろGaleです。ここでは杉本さんのカッティングを主体としたバッキングに加え、ナチュラルトーンでのソロも聴けます。(ポンタさんのドラムとゲタオさんのベースのコンビネーションソロも短いながら鮮やかです。)
FunkyなB2、Ray Parkerの影響も感じられる右のカッティングは土方さんです。ここでも松木さんのギターはGaleを思わせるフレーズで、空間を活かしながらのロングトーンやトリルを取り混ぜたプレイです。
ラストのB3は、ソロとバッキングが入れ替わり、松木さんが右からカッティング、左から安川さんがテーマとソロを担当します。安川さんのサウンド、プレイとも松木さんと比べるとナチュラルです。ここでは再びTootsのハーモニカが入り、独特の透明感のあるサウンドで美しい曲を盛り上げます。
長尺の曲や、キメの多い複雑な構成の曲が多いので、買った当初はシンプルなものが好きな自分には??なところもありましたが、5周期にあたり改めて聴いてみると松木さんの個性の強さと上手さが際立っています。(ポンタさんとゲタオさんの上手さも)
インナーには各プレイヤーと愛機の写真が写っています。杉本さんが345(ピックアップオープンなので交換した?)、土方さんが335、安川さんはアコギ、そして一際大きい写真で松木さんと350 (サイドの虎モクまではっきり見えます)が写っています。この写真眺めながら今日は松木さんの好きだった日本酒飲みながら参加作連チャンで聴きたいと思います。






Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡    
お酒のお供度♡♡♡♡

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