松崎しげる / Wonderful Moment (1980) – 松木恒秀

歌も肌もロイクです。松木さんの参加は1曲だけですが、他の曲も影響大!

A1. ワンダフル・モーメント
 2. 雨の微笑
 3. キル・ミー
 4. 悲しみのラブ・ソング
 5. 16ビート・センセーショナル
 6. モーニング・ブリーズ

 
B1. 愛の影
 2. 戯曲
 3. 愛の便り
 4. 化石の森
 5. 雨の微笑(リプライズ)
 


 
松崎しげるさんの'80年の作品です。’70年のソロデビュー、実力派歌手と評価されながらもヒットには恵まれず、'77年の「愛のメモリー」でブレイクしました。チョコレートのCMでも流れていて、子供心に曲の良さと歌の上手さに驚き、鮮烈に記憶されました。その後は歌手としてだけでなく俳優などタレントとして幅広く活動、A1は自身も出演した刑事ドラマ「トミーとマツ」のエンディングテーマでもあります。(これもドラマはちょい見程度でしたが、なんとなく覚えています)その後も、「愛と青春の旅立ち」を日本語でカバーするなど、抜群の歌唱力でエンターテイナーとしての活躍を続けてきました。
とはいえ、自分が本格的にレコード集めを始めた頃はブラック系、ギター系を中心としたため、邦楽系は後回しにしてしまい、本作も90年代の半ばごろ購入しました。すでにアナログはすっかり廃れていて、他の作品も、おかげさまでワンコインで買えました。
しかし、よくよく考えてみるとしげるさんも歌い方といい肌の色といい、ブラック系でした。ハスキーながら、艶も粘りもある声量と表現力のあるヴォーカル、昨日紹介のDavid Ruffinに通ずるところがあると思っています。(「夜の帝王」であるところも!)

<ギターの聴きどころ>

A1の懐かしさから購入した本作ですが、嬉しいサプライズがありました。インナーのクレジットに松木さん、杉本さんのゴールデンコンビの名前を発見、さらには岡沢さんなどプレイヤーズメンバーも!
二人の参加はB3です。三保敬太郎(宮崎正子さんの夫君です)作編曲の軽快な曲で、キメの多いイントロに続いて、コンビネーションバッキングが始まります。右がダブルストップのオブリ中心、左がフェイザーをかけたカッティングやシングルミュートで、コーラスパートまで多重録音で熱く迫るしげるさんのヴォーカルに対して、クールダウンするような軽やかなプレイです。息の合ったプレイで、特定しづらいのですが、右が杉本さん、左が松木さんと思います。(何度も書いてますが、この時期の松木さん、杉本さん、直居さんのプレイは似通って判別が難しいところがあります)
大野雄二さん作のA5での高速カッティングも松木さんかと思いましたが、松原正樹さんでした。A2、B2でのミュートを効果的に交えたカッティングも松木さんぽく聴こえますが、しげるさんのレギュラーバンドのPine Tree Family Bandの Naruo Murayamaなるギタリストです。(Pine Treeとは、直訳すると「松木」ですが、松崎さんの「松」のようです)A1の安川ひろしさん(松木さん同様、稲垣次郎とソウルメディアにも在籍していた方です)のダブルストップやヴァイオリン奏法のオブリも松木さんとフレーズが似ています。(弾き方やサウンドは異なります)。当時の松木さんや杉本さんの影響の大きさが窺えます。
他には、B1の伸びやかなディストーションサウンドでの今剛さんのソロもあり、ギター好きにも楽しめるアルバムだと思います。
9月6日の「松崎しげるの日」に遅れること1週間の紹介となってしまいましたが、ぜひ聴いてみてください。




Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡
夜の帝王度(日本のDavid Ruffi度)♡♡♡♡♡

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