Kimiko Kasai / This Is My Love (1975) – Cornell Dupree

 どれがDupree?みんなDupree?

A1. Use Me
 2. Come Rain Or Come Shine
 3. Happy Together
 4. The Good Life

B1. Love For Sale
 2. Autumn Leaves 
 3. The Lamp Is Low
 4. And Roses And Roses
 5. I Wish I Could Walk Away
 6. Little Things
 
 
'75年のニューヨーク録音盤です。この数年後に訪れる日本での女性Jazzボーカルブームとは、一線を画した活動を続けて来た人で、ブーム便乗ではなく実力や必然性によって海外レコーディングが行われたと思っています。本作は、Stan Getzが参加したことで話題になったようですが、残念ながら私めは技巧的なSAXには購入当時も今もあまり関心がなく、Dupree参加に惹かれてジャケ買いをしました。収録曲は、書き下ろし、Jazz Standard、Soulのカバーなど多岐に渡り、Jazzマニアからは統一性がないと否定的な声も有ったとのことですが、笠井さんのカラーで一貫されていると感じます。LPには珍しく60分近くあり、特にA面は長尺の曲が多いですが、長さを感じさせません。この盤を聴いて笠井さんのLPを集め始めました。(松木さんの参加した盤もありますが、参加ミュージシャン目当てでの収集ではなく笠井さんの歌を聴くためです。その辺が、参加ミュージシャンの演奏に注目していた美人シンガーと言われていた方々との聴き方の違いです。)自分の印象では、なんとなくMarlena Showを思わせる雰囲気があり、個性の強さというか、アクの強さを感じます。時代時代で音作りや選曲は違いますが、どれも名盤です。

<ギターの聴きどころ>

ギターはDupreeの他にJoe Beck、Jerry Friedmanが参加しています。個別の曲のクレジットがないため、Jazzマニアの間では、Stan Getzともう一人のSAXであるAl Cohnの聴き分けが話題になったようですが、ギターマニアくずれの私めも3人のギターの聴き比べを試みましたが、二人がどういう方々なのか、どういうプレイをするのか不勉強で聴いたことがなく、駄耳では比べようがございませんでした。従いまして、A1のカッティングは本当にDupreeなのか?B4のコードの刻みはDupree らしくないが、こんな硬い音でJazzをやるだろうか?B5は右左のチャンネルで音も弾き方も似ているがどっち? B6は右がDupreeだろう、では左は?などと疑いの気持ちだけが強くなり、純粋に音楽やギターのフレーズが楽しめなくなるので分析を放棄しました。悩みながら聴くよりは、少し強めの酒を用意してこの濃密な世界にのめり込んだ方がいいでしょう。
(でも、悔しいので分かる方がいらっしゃったら教えてください。)

Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡♡

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