Maynard Ferguson / Conquistador (1977) – Eric Gale, George Benson

キレも重みもある個性的なカッティングです。フルアコとは思えない!

A1. Gonna Fly Now (Theme From "Rocky")
 2. Mister Mellow
 3. Theme From Star Trek


 
B1. Conquistador
 2. Soar Like An Eagle
 3. The Fly

 


 
Maynard Ferguson の'77年の作品です。カナダ出身のトランペッターで、ハイノートヒッター(高い音域を演奏する奏者)として知られています。50年代から活躍し、数多くのアルバムを残しています。日本でもテレビ番組のテーマ曲やボクサー、プロレスラーの入場曲として使われており、名前は知らなくともサウンドを耳にした方は多いと思います。
本作はBob Jamesをアレンジャーに迎え、N.Y.陣を中心とした豪華なバックでレコーディングされています。A1とA3の映画テーマ曲を含みセールス的にも成功した作品のようです。
それまで名前すら知りませんでしたが、裏ジャケにGale、Bensonの名前をユニオンのJazz館のセール箱からGetしました。'00年代の頭頃、300円でした。



<ギターの聴きどころ>

個別曲にはソリストのみの表記のようで、Galeはソロはないようです。

聴き慣れたA1ですが、オリジナルを含めて一曲通してちゃんと聴くのは初めてです。右のストラトカッティングはGaleではないと思います。ロックなソロはJeff Laytonと書かれています。右のフェイズバッキングはもしかして?
タイトル通りメロウさを感じさせるA2、スペシャルゲストとして、"Breezin'"の大ヒットにより波に乗るBensonがフューチャーされています。オクターブ+αやピロピロの速弾きを交え、確実に足跡を残しています。個人的には上手いとは思うけど・・・という感じです。主役のトランペットと会話している感じがせず、それぞれのフレーズを弾いている印象を受けます。
日本ではウルトラクイズに使われたらしい(見てないのでしりませんでした)A3、この曲での右のザクザクと切れるカッティング、間にグリッサンドを入れたり、リズムパターンを変化させたりと一筋縄では行かないプレイはGaleと思います。
具志堅用高さんの入場曲であったというB1(これも記憶が曖昧です)、スパニッシュな感じからクセの強い低音部に移行するイントロ、これもGaleと思います。リズムがアップに変わり本編に入った後は、同様にキレも重みも感じさせるフリーなカッティングで超重量級のベースとGrooveを作ります。
メロウなムードのB2、右へ引っ越してシングルノートバッキング後、オブリを挟んでカッティングに移ります。フルアコでここまで切れるサウンド!
ラストのB3ではフェイズを強くかけたサウンド、ノーマルなを使い分け、パーカッシブにリズムを刻みます。
上記の通り、聴く限りでは、GaleはA1,A2以外の4曲に参加していると思われます。(A1の左は怪しいですが。)主役のハイノートを重力感のあるリズム隊とキレのいいカッティングが怒涛の如くバックアップし、BJの大袈裟なアレンジもここではハマっています。
本作でのギターのハイライトは一般的にはBensonの参加なのでしょうが、Galeファンの方は、箱鳴りは感じるもののフルアコとは思えないGaleのキレキレのカッティングをぜひ聴いてください。クセの強さはカッティングでも健在です。



Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡
テレビ向け度📺📺📺📺📺

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