Michael Paulo / Fusebox (1990) – Larry Carlton, Eric Gale

流し目ジャケに惑わされず聴いてください。

 1. The Story Of O
2. Fusebox
3. Don't Let Go
4. Love Will Come Again
5. In The Spirit
6. Miles Calling
7. Stolen Lover #4
8. Rainbow Room
9. When I Need You
10. The Story Of O - Reprise



Michael Pauloの'90年の作品です。Kalapanaのメンバーとして活躍したハワイ出身のサックス奏者で、その後LAに移ってセッションミュージシャンとして活動(Tatsuoのミドルネームの通り、日本人の血をもつせいか、日本人の作品への参加が多く私の手持ちのレコードやCDでも山下憂さんや飯島真理さんの作品にも参加していました。日本企画のDarek Jacksonにも)し、本作はソロとしては3枚目となります。Robert Kraftがプロデュースを担当、その人脈でしょうか、一流どころがバックを務めています。オリジナルに9の有名カバーを取り混ぜつつ、時流からかHip Hop調ありスロウありのバラエティに富んだ(節操のない?)内容であり、各曲を朗々とブロウしています。
サックスはヴォーカル、ギターに次いで好きな楽器で、レコ店に行くたびに安盤を中心にチェックするのですが、本作の流し目ダサダサジャケットに私めのクサイもの感知アンテナが反応し、裏をひっくり返してみたところ、またしても流し目の写真に混じって、FeaturingとしてCarltonとGale,PJJの名前がありました。500円、早速購入しました。90年代の終わり頃でした。


<ギターの聴きどころ>

インナーには、個別曲のクレジットがあり、Carltonは4と7、Galeは8と9に名前が書かれています。CDなので飛ばして聴きます。
ミディアムスロウの4、中間部にエレクトリックでの短いながらよく歌うソロが入ります。音の切り方や間の取り方が実にうまい!この頃はValley Artsのテレと思います。
7もミディアムスロウで、当時流行った808を駆使した電子リズムに対し、エレガットを乗せてきます。中間部では美女直ソロもありますが、早いパッセージを取り混ぜつつもエレクトリック同様歌心に溢れた抑揚のあるプレイです。一時期弾いていた GibsonのChet Atkinsモデルのエレガットでしょうか?
ニュージャックスイングの8,この曲にGale?と思いましたが右から入るシングルミュート、機械のジャストなビートに対し微妙な揺らぎを感じさせ、中間部にはゴリ押しと言っても過言ではないGale節のソロを突っ込んできます。意外にもマッチしています。
大好きな8,いきなり絞り上げるようなチョーキングとビブラートの泣き節で露払いどころか主役を食ってしまうようなインパクトです。その後も絶妙なタイミングでチョップ+チョーキングのオブリを入れてきます。後半はGospel Choirも加わって盛り上がるなか、シンプルなプレイながらGaleの1音1音が大きな存在感を感じさせます。ライン録りかもしれませんが、紛れもないGaleのサウンドです。
他の曲では、PJJやRay Fullerがコンテンポラリーなバッキングで盛り上げています。この時期のPJJ,引っ張りだこで多くの作品に名を連ねています、
当時は先端であったであろうサウンド、今となっては陳腐感もありますが、ギター的には、バッキング・ソロともオイしい作品です。あまり見かけませんが、見つけたらぜひ聴いてください。




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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