Myx / Myx (1981) – 山岸潤史

早すぎたJ-Funk、圧巻です。 

A1. Myx "N" Roll
 2. Take It From Me
 3. Super Star
 4. This Time

B1. Dance (Everybody Get Up)
 2. Let Me Love You
 3. Rain Shine, Hell Or High Water
 4. You I Love And Need


 山岸さんを核としたMyxの'81年作品です。Westroad Blues Band(BLues) → 渡米 → Sooo Baad Revue(Soul,Rock)  →  GUitar Work Shop (Fusion) → ソロ と多岐にわたるジャンルを経過してきた山岸さんですが、このMyxは多くの黒人ミュージシャンが出演する赤坂MUGENに出演するために結成したFunkユニットです。 メンバーはJoseph "Thunder" Wells (Vo)、鈴木ウータン正夫 (Ds)、エディ中平 (B)、チャールズ清水 (Key)、岩本 "Shining" 千秋 (Vo)、本間ふみこ (Vo)”に加え「Myx Horns」として、包国充 (ts), 沢井原兒 (as), 岡野等 (tp,flh), 荒木敏男 (tp,flh), 塩村修 (tb)による大所帯です。当時の日本ではこの類の音楽はスペクトラムぐらいで、つのだ⭐︎ひろさんのFunkユニットのJap's Gap'sよりも早いです。しかも、海外のFunkと対等に渡り合いたいという強い意志の表れか、全曲英語詞です。(黒人になり切ろうとしたのか、髪型もストレートのロングからアフロに変わっています)山岸さんに夢中になり始めた高2の時、地元のレコード屋で本作を新品で見たのですが、店頭で試聴した結果、同じく山岸さんが参加しているつのだ⭐︎ひろさんのBalladを選んだため、次に行った時には売れてしまっていました。上京後に再度探したのですが、値段が高騰していて、結局手に入れられたのは90年ごろでした。(西荻の小さいレコード屋で1000円ぐらいで買うことができました)

<ギターの聴きどころ>

初めて試聴した時は、Funkの良さが分からずに見送ってしまいましたが、手に入れて改めて聴いてみると、如何に時代を先取りしていたかを改めて感じました。ギターマガジン(2004年8月号)のインタビューによれば、いろんなセッションの中で、周りのうまい人たちと比較してしまい、自分のプレイに中途半端感とコンプレックスを感じたとのことですが、このユニットでMUGENに出演することで自身のプレイに自信を取り戻し、更なる前進につながったということで、迷いが吹っ切れたような豪快かつ緻密なプレイを聞くことができます。
A1でのフランジングコーラスからの重くうねるビートと熱いヴォーカルに絡むRock 'N' Roll超のギター、Black Rockです。
A2,A4,B1重量級Funkでのカッティングのキレ、ミディアムスロウのA3でのメロウバッキング、この後のプレイで聴けるスタイルがすでに出来上がっています。特にガヤで始まるB1は、ブラインドテストをしたら誰も日本のユニットとは思わないのでは?という黒さです。
B4はErnie Isleyを思わせるFunk Rockプレイです。
感動のスロウでLPが幕を閉じます。
Myxが残したのはこの1枚だけですが、おそらくもっと激しかったであろうライブをぜひ見てみたかったところです。あと10年早く生まれていれば!