山岸潤史,森園勝敏, 大村憲司, 秋山一将/  Guitar Workshop Vol. 3 Direct Disk (1979)

ダイレクトカッティングによる高音質が楽しめます。

A1. 山岸潤史ニュー・グループ – Bagoon
 2. 森園勝敏(バーズ・アイ・ビュー) – Face Your Fears

 
B1. 大村憲司&カクトウギ・バンド – Wanna Be A Star
 2. 秋山一将ウィズ・ネクスト・ペイジ – Hawaiian Village

 


 
Guitar Workshopの'79年第三弾です。タイトル通りダイレクト・ディスク・プラス・デジタル録音というレコーディング方法を採用しています。ダイレクトレコーディングは、Ritenourが70年代後半から"Gentle Thoughts"や”Sugar Loaf Express”で行なっていましたが、本作では世界でも初めてという2つのスタジオを使っての同時ダイレクト・ディスクカッティングを行なっているそうです。ミスの許されない一発録り、さぞや緊張感に溢れているかと思いきや、ライブで鍛えられた達人たちの確実な演奏で、リラックスした雰囲気、歌心や熱さも併せ持って記録に残しています。
Vol1は高校生、Vol2は大学生の時に早々と購入しましたが、本作はダイレクトカッティングの技術特性上多くの枚数を制作できなかったせいか市場で中古品を見かけることはなく、長らく聴くことができませんでした。半ば忘れかけていた'10年頃、当時の勤務先に近い北浦和で会社の飲み会があり、早く着いたので時間潰しに覗いた北浦和のユニオンのエサ箱に入っていました。300円でした。もちろん購入、飲み会をドタキャンして帰宅して聴きました。(翌日キャンセル不可分の飲み代を請求され結果的に高上がりとなりましたが、会社の飲み会のつまらなさと天秤にかければ当然の行動でした)

<ギターの聴きどころ>

これもダイレクトカッティングの技術上の制約なのでしょうが各面に2曲づつ、合わせて4曲のみの収録です。一方、ライナーノーツには、各曲のプレイヤーと使用機材、ギターの写真、個別曲の解説、録音機材のセッティング図まで記載されており、マニアも納得する情報量です。(山岸さん大村さんの使用ギターの記載と写真が違うのはご愛嬌でしょうか?)
A1は山岸さんです。タイトルの語感からFunkやRockを想像したのですが、他の作品やライブで聴いた山岸さんの熱くてエモいプレイと比較すると、後半のソロなどところどころで片鱗を垣間見せるものの、割と普通の?Fusionで小さくまとまってしまった感がありました。(ギターマガジンのインタビューにもこの頃はコンプレックスが強く迷いがあったと書かれていました。)ギターは写真通りヤマハSGではないかと思います。
A2は森園さんです。Ben Sidranのカバーを取り上げ、サックスと自身のヴォーカルをフューチャー、本当にギター曲?と思いましたが、後半では四人囃子やプリズムでのプログレロックや、根っこにあるBluesフィーリングをミックスさせ独特の雰囲気のあるソロを展開しています。使用ギターの珍しさ(RD Artist、他に弾いている人を見たことがありません)と、後半のドラムフィルの手数の多さにも驚きです。
B1は大村さんです。イントロからテーマに続きますが、思いのほかポップな曲調で驚きました。バックにこのメンバー(坂本龍一さん、矢野顕子さん、高橋ユキヒロさん)を集めたのも納得です。ギタープレイも、いつも通り表情豊かなものの前半はPops色、後半はRock色を強く打ち出しているように感じました。使用ギターは、やはり写真通りストラトではないでしょうか?
ラストは秋山さんです。Earl Klughかと思わせる美しいメロディと優しいガットの音色が魅力ですが、アドリブでは持ち前のテクニックとセンスで難しそうなフレーズも難なく弾き切ります。実はこのアルバムの中で一番のお気に入りです。
他の3曲は曲調やギターのサウンドなど必ずしも自分の好みとフィットしていないのですが、ダイレクトカッティングという難しい取組みへのチャレンジ精神と、オーディオ的な音の良さを楽しむべきでしょうか?ダイレクトカッティングの意味があるのかどうかは別として)
CDも出ているようなのでぜひ聴いてください。






Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡

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