Patti Austin / Every Home Should Have One (1981) – Eric Gale, Steve Lukather

Galeは控えめである一方、Lukatherの器用さが際立ちます。

A1. Do You Love Me?
 2. Love Me To Death
 3. The Way I Feel
 4. Every Home Should Have One
 5. Baby, Come To Me

 
B1. The Genie
 2. Stop, Look, Listen
 3. Symphony Of Love
 4. Oh No, Margarita
 5. The Island
 


 
Patti Austinの'81年の作品です。既紹介のCTIのソロ作”End Of A Rainbow”、”Havana Candy”で音楽ファンの注目を集めましたが、本作は幼少期の洗礼時に代理父を務めたQuincy Jonesの設立したQwest Recordよりリリースされています。(QuiucyプロデュースのMichael Jacksonの「It's the Falling in Love」、Bensonの「Moody's Mood for Love」や「Keep Your Dreams Alive」でもデュエットした縁でしょうか?)当然Quincyのプロデュースで、人脈による豪華なバックミュージシャンを集めた物量投入大作戦で録音されています。さすがは「ヒットの魔術師」、L.A.とN.Yの違いを感じさせない巧みな音作りで作品の良さとヒット性を両立させた作品に仕上がっています。事実、同じくQuincyの秘蔵っ子であるJames Ingramとのデュエット曲B5のNo.1獲得などセールス的にも成功を収めました。
Gale参加の前述の2枚をとても気に入っておりましたので、本作もエサ箱の中で発見した瞬間、手にとってレジに向かいました。

<ギターの聴きどころ>

インナーには個別曲のクレジットがあり、Galeの名前がA4, B2, B3, B5にありました。前2作でのプレイが良かったので本作も期待大!しかし、他の曲でのギターは苦手なSteve Lukather・・・悪い予感も・・・・。期待と不安を抱きつつ針を下ろします。
1枚通して聴いた結果としては、ことギター面に関しては期待と異なりました。Galeの参加は前2作と比較すると控えめで、かつ、StylisticsのB2を除いて本作でのQuincyの作り出す流行先端(当時)のサウンドとは必ずしもいマッチしていないように感じました。
一方、Lukatherは1曲の中でもドライブサウンドでのソロ、シングルミュート、カッティングなどサウンドやプレイを器用に(無節操に?)使い分けており、Quincy親分の統制下で必要以上に弾きすぎることもなく、セッションギタリストとしての立ち回りの上手さを感じさせます。ある時はCarlton風(A1のイントロやソロ、A3のソロなど、大味ですが)に、ある時はGale風(A5のシングルミュートなど、薄味ですが)に、ある時は・・・、と言うように一人何役もこなし、プロデューサーの立場からすると一人居れば十分と思わせる活躍ぶりです。(個人的にはRitenourに通ずるあざとさが鼻に付きます・・・。)同年のQuincyの”Dude”でも起用された理由がわかる気がします。
本作に限っては、GaleのOne & Onlyの個性は、Lukatherの「何でもそこそこできる」器用さを際立たせるための引き立て役に回ってしまった気がして残念です。
とはいえ、私がLukatherが苦手なだけであって、どのプレイもツボを抑えた上手さです。曲も粒ぞろい、ヴォーカルもアレンジもバックの演奏も申し分ありませんので、Galeファンの方には物足りないかもしれませんが、Lukatherファンの方もそうでない方もぜひ聴いてみてください。
なお、A3はMarleneもカバーしていて松木さんがギターを弾いてますので聴き比べてください。








Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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