Terry Callier / Turn You To Love (1979) – David T. Walker

珠玉のソロなど密度の濃いプレイが聴けます。

A1. Sign Of The Times
 2. Pyramids Of Love
 3. Turn You To Love
 4. Do It Again
 
 
B1. Ordinary Joe
 2. Occasional Rain
 3. Still Water (Love)
 4. You And Me (Will Always Be In Love)
 5. A Mother's Love
 


 
Terry Callierの'79年の作品です。通算6枚目、Elektra移籍後は2作目となります。シンガー、ライターとして優れた才能を持っており、70年代初期の三部作などミュージシャンや一部のコアなファンからの評価は高い一方で、当時のセールスや知名度は今一つで、人気が出たのは’90年代半ばの再評価以降です。自身の弾くアコギが独特のフォーク感を醸し出しておりそれが逆にソウルファンからは敬遠されたようです。
本作は長年の相方であるLarry Wadeがプロデューサーを務め、西海岸の有名どころを集めてレコーディングされています。時代を反映してかディスコティックな曲もありますが、セルフカバーなどフォーク感も健在で、Steely Danのカバーまであり、ヴァラエティに富んだ内容となっています。
自分も再評価後の"Alive"から聴き始め、暖かく深みのあるヴォーカルと独特のムードに夢中になり、過去に遡ってレコードを集めました。(どれも良いお値段でございました)
2人の女性に挟まれた表、去っていく裏のジャケ写も意味深な本作、私の購入した盤には参加ミュージシャンのクレジットがなく、見つけた時に買っておけ、という気持ちで購入しました。エフェクトたっぷりのイントロのベースとデイスコ調の曲に???でしたが、なんと、左からあの音が聴こえてきました。

<ギターの聴きどころ>

控えめに(しかしパーカッシブに)シングルノートをプレイしているのですが、紛れもなくDavid T.のサウンドです。曲が進むとコードやオブリも交えながら、自在にバッキングをしており、Wah Wah Watsonのエフェクティブなサウンドや、右のノーマルなカッティングとコンビネーションでFunkyに盛り上げています。
Mellow GrooveのA2では、コードやダブルストップでさらなる甘さを加えています。
タイトル曲のA3,昭和の歌謡曲みたいだなと思って聴いていたら、弦の響きまで聴こえるようなオブリが聴こえてきて、曲の後半には情感たっぷりのソロまでありました。
まさかのSteely DanのカバーのA4、若干テンポを上げていますがドライブサウンドのギターなど原曲のテイストを残しています、数本のギターが重ねられる中、David T.は控えめですがコードやオブリで彩りを添えています。
A5,B1はセルフカバーです。B1、アコギに混じってポイントで差し入れるオブリが小音量ながらいい味を出しています。
スロウのB3、控えめですがツボを押さえたバッキングの後、繰り返しフレーズで細かく音を刻みながら、絶妙にピッキングのタイミングと強弱をコントロールした素晴らしいソロが入ってました。見事というより他ありません。ギター的には本作のハイライトです。
B5でも後半に自在なオブリが入ってきます。
本作は、David T.のギターは後半フューチャーなので、途中で飛ばさず1曲を通して聴く必要があります。
聴いた限りでは、David T.の参加作は本作だけのようですが、密度の濃いプレイが聴けます。Terryファンの方だけではなく、David T.ファンの方もぜひ聴いてください。



Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

Follow me!