Joni Mitchell / Hejira (1976) – Larry Carlton

クールでダークですが、涼しくなりませんでした。

 1. Coyote
 2. Amelia
 3. Furry Sings The Blues
 4. A Strange Boy
 5. Hejira
 6. Song For Sharon
 7. Black Crow
 8. Blue Motel Room
 9. Refuge Of The Roads

 


 
Joni Mitchellの'76年の作品です。本人の弾くアコギをメインとし、達人たちの少人数の編成のバックです。12弦ギターのようなコーラスがかかったアコギサウンド(’76年なのでまだエフェクター化されていないと思います。前年発売のジャズコを通しているのでしょうか?)のせいか、全体的に冷たく透明感のあるサウンドを基調としており、そこにJacoやCarlton,Tom Scottなどの達人のヒューマンなプレイが彩りを加え、繊細で意味深な歌詞のヴォーカルが乗って、独特の空気感と深みを作っています。(鍵盤系が一切入ってないのも驚きです。)表裏のジャケット、インナーまでモノクロで統一されており、デザインもサウンドも作品全体をクールなムードで統一したかったのでしょうか?
本作も Carlton参加作として購入しました。ユニオンなどの専門店ではLP,CDとも常に高値がついていて手が出せずにいたのですが、帰省時に立ち寄ったリサイクルショップにダンボール箱に詰め込まれた安CDに本作が紛れ込んでおり、1/10以下の値段でゲット出来ました。ネットが普及していない時期にはこういうこともしばしばあり、レコード・CD探しの醍醐味でもありました。今では、ブックオフでも相場通りの価格になっっていたり、ネットオークションに出品したりしていて、お金さえ出せば買える環境は整いましたが、探す楽しみや格安で手にいれる喜びはなくなってしまい寂しい気がします。

<ギターの聴きどころ>

インナーには歌詞と共に個別曲のクレジットがあり、それによるとCarltonは1,2,4,7,8の5曲に参加しているとのことです。
冒頭の1,何本も重ねられたギター、全部Joniのプレイにも思えます。本当にCarlton入ってる?ところどころ入るハーモニクスはJacoのベースと思います。
2でも数本のギターが重ねられていますが、Carltonのプレイはハーモニクスやヴァイオリン奏法、ロングトーンなどによるオブリです。タイミングもノートの選択も絶妙です。
4では弦を指で弾くようなプレイも織り込み、低音部のミュートやチョーキング、ビブラートがBluesyです。
クールな本作の中で、唯一激しさを感じさせる7、強めのドライブサウンドをヴォリュームペダルでコントロールし、Jacoのベースと共に緊迫感を高めています。この曲はストラトでしょうか?
古いJazzを思わせる8,個人的にはこのアルバムの中で唯一ホッとできる曲です。ここではjoniがエレクトリック、Carltonがアコギと役割を交代しているようですが、メインのバッキングも、刻みもCarltonと思います。Joniのエレクトリックはどこに?
クールでダークな1枚、猛暑の中で聴くと涼しげになるかと思いきや、逆に暑さが際立ってしまい、暑さから逃避行できませんでした。





Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡

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