前田亘輝 & HIS BLUES FRIENDS (1993) – 塩次伸二、山岸潤史

日本のBluesの重鎮+αのコンピ盤です。

 1. Hey Everybody!(前田亘輝)
 2. Shining You	(Quncho)
 3. Whisky Oh! Whisky(永井隆)
 4. Mama Always Told Me	(生沢佑一)
 5. おはよーよる	(近藤房之助)
 6. Red Cherry Baby (永井隆)
 7. Big City Names L.A.	(Quncho)
 8. Kinky Funky Lady (生沢佑一)
 9. きみんちのななつのとびら (近藤房之助)
10. Face To Face (全員)
11. わかって愛しい女よ (前田亘輝)



前田亘輝さんとBluesのBeing先輩方の'93年のコンピ盤です(曲の後ろにカッコ書きしています)。発売時の謳い文句は「TUBEの」前田さんと親交の深い友人を集めてレコーディングされたとの内容でしたが、それまで前田さんがBlues好きだということを聴いたことも見たこともなく、所属会社のBeingの繋がりなでは?などと勝手に思っていました。'90年に「踊るポンポコリン」がヒットにより、にわかにBluesやSoulのベテラン勢が注目され、Royal Straight Soul、J-Bluesシリーズなどが連続してリリースされましたので、その延長かと思います。前田さんの名前を前面に出すことでセールスを伸ばしたいというレコード会社の思惑はあるのでしょうが、限られたコアなファン以外にもBluesの裾野を広げた功績は大きいかもしれません。
日本のBluesを黎明期から支え続けてきた豪華なメンバーに惹かれて発売日に購入しました。個別の曲の参加者はインナーに記載されていますが、Wikiにもありましたのでご参照ください。
TUBEファンの方は無理をしてまで聴かない方がいいかもしれません(私はTUBEはヒット曲がテレビで流れているのを聴いた程度ですので詳しくわかりませんが、あるいはBluesもやっているのでしょうか?)
なお、先に述べたBeingアーティストの一連のコンピ盤、ベテラン+これから売り出したい若い人の組み合わせで構成されており、一部を除いては実力派の皆様の歌と演奏です。数が出ただけあって、一時期はBookOffなどで叩き売られていました、最近見ませんが、こちらもぜひ聴いてみてください。


<ギターの聴きどころ>

ギターの面でのお目当ての山岸さんは1に、塩次さんは2と7に、房之助さんは5でプレイしています。(9はヴォーカルだけです)
ラップも交えた1はFulsonのTrampを思わせる曲です。右のカッティング、左のシングルリフ、センターにもワンポイントのカッティング(どれもキレキレです)、ドライブサウンドのオブリとemotionalなソロと最低4本重ねていると思われます。(全てストラトと思います)ただ、南佳孝さんのDesert Stormもそうですが、政治や社会メッセージのある歌詞はちょっと自分には違和感大です。
2のミディアムシャッフルでは、Qunchoさんのヴォーカルへのレスポンス、緩急のあるソロ、BluesMasterの称号通りの素晴らしいプレイです。(カスタムのテレキャスでしょうか?)この曲はKansas Cityを思わせる節回しがあります。
スロウの7でも、イントロ、Qunchoさんの渋くも熱いヴォーカルに寄り添うようなバッキングとオブリ、中間のソロ、ピッキングやフィンガリングで表現する微妙なニュアンス、マイナーとメジャーのペンタの組み合わせ、間の取り方、ノンエフェクトで歌い上げる絶妙なプレイです。
バンドマンの生活を歌った?5、自身のヴォーカルと差し挟むOtis Rush譲りのチョーキング多用のオブリ、やや控え目ながら一聴して房之助さんと分かる個性的なプレイです。(9もそうですが戦前のBluesにあるような生活感とシュールさが同居する不思議な歌詞です)房之助さんは、90年代立て続けにライブ盤やBluesカバー盤を出していて、Bluesファンの方は必聴です。
11では、West Road B.B.にも在籍していた中島正雄さん(この時はBeingの制作部門のトップだったようです)が、イントロやオブリなど熱いプレイを聴かせています。
その他の曲では、プロデューサーでもある葉山たけしさんが担当しています。元々BluesBandでビューしただけあり、カッティング、リフ、ソロなど曲に合わせた的確なプレイです。(ややRock寄りではあります)






Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡    
お酒のお供度♡♡♡♡  

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