大場久美子 / さよなら ありがとう (1979) – 松木恒秀

トップアイドルの花道をいつものプレイで飾っています。

A1. オープニング・オーバーチュアー
 2. イッツ・ソー・イージー
 3. ポップス・メドレー
 
B1. スプリング・サンバ
 2. ラム・コークはいかが
 3. サファリ・パーク
 4. ワンス・アポン・ア・タイム
 5. ダンスに夢中
 6. 追憶 

C1. なごり雪
 2. ハートのポプリ
 3. 海岸通
 4. あこがれ
 5. 追いかけないで
 6. 大人になれば
 7. エトセトラ

D1. キラキラ星あげる
 2. ディスコ・ドリーム
 3. フルーツ詩集
 4. スプリング・サンバ
 5. ヒット曲メドレー(インストルメンタル)
 6. さよなら ありがとう


 
大場久美子さん(以下、自称通りクーミンと記します)の'79年のライブ盤です。アイドルとして人気絶頂のさなか、歌手としての活動に終止符を打つ最後のコンサートだったそうです。2毎組で、オリジナルとカバーを取り混ぜた構成となっていて、冒頭のナレーションにあるように台風のため開催が危ぶまれた中、開始時刻を繰り下げて開催、嵐を乗り越えて集まったファンの方々の異様な熱気にあふれています。
特筆すべきはバックの豪華なメンバーで、深町純さん、松木さん、直居さん、岡沢さん、渡嘉敷さんなど、トップクラスのセッションミュージシャンを集めており、ホーンセクション、コーラスも大充実です。どのような経緯でこのような錚々たるメンバーが集められたのかは調べた限りではわかりませんでしたが、武道館という晴れ舞台でのでのトップアイドルの花道、事務所の頑張りでしょうか?(あるいはみんなクーミンファンで志願した?)
本作の発売より30年以上の時を経てディスクユニオンの昭和歌謡館が開店、ここでも裏ジャケチェックをしていたところ、松木さんはじめ、先の豪華なメンバーの名前を発見しました。発売当時、自分は小学生で、大場久美子さんのこともTVドラマの「コメットさん」や、歌番組に少し出てた?くらいの記憶しかありませんでしたが、380円の安さ、即購入しました。開けてみると、外周で盤が反っていましたが早速聴きました。

<ギターの聴きどころ>

ギターは松木さんと直井さんの二人です。
1曲めのインストでは、二人の短いソロが入ります。最初がタメとツッコミのナチュラルドライブサウンドの松木さん(短い!)、続いてフェイズサウンドで細かく音を刻む直居さんです。他の曲でも、プレイスタイルなど似通っているところもありますが、聴いたところでは、松木さんが右で直居さんが左です。ステージでも、写真を見る限りギター二人並んでいたようですが、向かって右が松木さん、左が直居さんです。写真が不鮮明ですが、使用ギターは松木さんがES350,直居さんもセミアコかフルアコのようです。
A2からクーミンのヴォーカルが入ります。(この曲、Dupreeもソロ作で取り上げています!)音程もリズムも不安定なところがあり、盤が反っているせいかとも思いましたが聴き進めても変わらないので大変失礼ながら盤のせいではないようです・・・(本人も自分は歌が得意ではないとおっしゃっていたようです)カラオケもヴォイストレーニングもない時代の昭和アイドル、金太郎飴感がなく、逆に素人っぽいひたむきさが新鮮に感じられます。
さて、ギターについては、A面では、左の直居さんのギターに対して、右の松木さんのギターが小音量です。ミキシングのせい?あまり弾いてない?
B面に入るとヒット曲のB1で、ようやく、オブリを取り入れた柔らかくもキレのある松木カッティングが聴こえてきました。
B2では二人のドラムソロの後、やはり松木カッティングが聴けます。B3も聴こえますが音量は抑えめです。B4ではバンドの紹介があり、ここは直居さんがソロを取ります。クーミンが「ブラスセクション」を「ベースセクション」といっているように聴こえますが気のせいでしょうか?
次のカバーでは、クーミン自身がピアノもプレイします。ここでは直居さんがJazzyなシングルノートのオブリ、松木さんがハンマリング&プリングを交えたアルペジオやダブルストップのオブリという分担です。
C面ではイルカさんヒット曲カバーからスタートします。ここでは直居さんはアコギに持ち替えてのアルペジオ、松木さんは本領発揮の松木バッキング(所々のオブリもいい味!)でクーミンの幼さの残るヴォーカルを盛り上げます。
C3では、情感たっぷりにオブリを入れ、C4でのオブリを交えたカッティング、C5のイントロ(カッティングは右の直居さんに役割交代します)やオブリ、C6のオブリ、C7のイントロやオブリなど、これぞ松木さん、というプレイが続々と出てきて、松木さんファンにはC面がお勧めです。
D面は自身のヒット曲が続きますが、ここでもカッティングやオブリで盛り上げています。特にD4のカッティングが素晴らしく、スタジオ盤でも弾いているのであれば探して聴きたいと思います。
D5はフィナーレに向けてのインストですが、ここでは直居さんがテーマを取り、松木さんとのバッキングでコンビネーションを作っています。
D6は涙で歌にならないクーミンを渋いオブリで送りだした後も、Galeばりの絞り出すようなチョーキングで最後を締めます。
惜しむらくは、音質の悪さで、会場の音響設備のせいなのか、録音のせいなのか、ミキシングのせいなのか、あるいは盤の状態なのかは分かりませんが、せっかく達人たちが集まっているので、各楽器の音がもっと鮮明に聞こえれば・・・・と思ってしまいます。しかし、全編に亘って松木さんや岡沢さんのプレイを聴くことができる作品、Playersファンの方もぜひ見つけて聴いてください。(Playersとは音楽性は異なりますが)













Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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