山岸潤史 / Really?! (1979)

初のリーダー作。激しいです!

A1. Time Limit
 2. Ratrace Blues
 3. Suite Really (With A Smile From The Cosmos〜Earth Consciousness)
 

B1. A Song For The Children
 2. Dead Ahead
 3. Soap Dancer
 4. That's Where My Heart Is


 
山岸さんの'79年の初リーダー作です。West Road Blues Band脱退後渡米、帰国後Sooo Baad Revue(前身は山岸潤史スーパーバンド)を結成するも早々に解散、さまざままセッションに参加(乱入?)し、さまざまな要素を吸収しつつ音楽的なセンスとギターの腕を磨いていたとのことです。前年の'78年にはGuitar Work Shopにも参加し、フュージョン(当時はクロスオーバーと呼ばれていたようですね)の隆盛にあわせ、満を持して発表されたのが本作です。リズム隊、ホーンセクション、コーラス隊などの参加ミュージシャン、数々のセッションで築き上げた人脈でしょうか、東西の俊英が集結していて実に豪華なメンツです。インナーには、個別の曲ごとのクレジット(A面B面)と、メンバーの写真もあります。
ChickenshackやWestroadB.B.を聴いていて山岸さんのプレイに惚れ込み、本作もUnionなどでたまに見かけてはいたのですが、廃盤で常に高値がついており、なかなか手が出せずにおりましたところ、高田馬場の中古屋で2000円ぐらいで出ていたのを購入しました。
ジャケットが濃すぎて、眺めながら聴くのが辛いことも・・・・(自分の中では、Best Of Muddy Watersに匹敵する強烈なジャケットです。女性を家に呼ぶときに出しっぱなしにしてはいけないヤツです)


<ギターの聴きどころ>

ポンタとナルチョ(敬称略)のリズム隊に乗って、ドライブサウンドで、大きなテーマ、First Fingerと称された早弾きやアウトフレーズ、豪快なチョーキングを取り混ぜたソロ、初っ端から飛ばします。
続くA2、メカニカルな印象も与えるテーマやキメのフレーズに続いて、Wahも駆使しここでも弾きまくりのプレイです。タイトルにあるBlues Feelingはあまり感じませんでした。
壮大な組曲の3,ヴァイオリン奏法で幻想的なムードを盛り上げます。テンポが上がって、テーマに続いてGary Boyleとのギターバトルが始まります。最初のソロがBoyle,次が山岸さんと思います。Boyleとの共演が本作の売りの一つだったようですが、残念ながらこの人のギターを他で聴いたことがなく、そもそもこういう曲調があまり好きではないので自分には有り難みが分かりませんでした。
B面に移るとキャッチーなイントロに続き、金子マリさんと亀渕由香さんのコーラス(ありえないほど豪華!)、ストリングスに乗って、ナチュラルトーンでのテーマが聴こえています。高中さんが演ってもおかしくないようなポップさと思っていたらソロに入るといつもの山岸さんの突き抜けたプレイでした。終わったかと思いきや、愛息聖太くんの声に続いて再開します。後半はナチュラルドライブトーンでのためとツッコミの粘っこいプレイです。(個人的には後半のソロが好みです)
跳ねるビートのB2でも、バックの軽快なノリに反してテーマが終わると頭から弾きまくっています。
B3もBoyleとの共演です。左Boyle、右山岸さんと思います。この曲も跳ねた軽快なリズムですが、二人のギターは無関係に弾きまくっています。
ラストはスロウで、情感たっぷりに、タメまくり、歌いまくり、泣きまくりの名演です。Soultrain Bandでも活動を共にした国府さんのエレピ、オルガンも美しいです。この曲は、つのだ⭐︎ひろさんとのSession Grand-Prixでもストラトの熱いプレイが聴けます。
これまでの曲はサウンドもプレイも激しすぎ、また、「クロスオーバー」として無理に難しいことをやろうとしているように感じられ、正直自分の好みと外れていた曲もあったのですが、この曲が始まって、しみじみ本作を買ってよかったと思いました。
インナーの写真には、レスポールとヤマハのSA2000(と思います)が写っています。アンプは当時大流行のBoogieでしょうか?

Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡ B4でアップしました
Mellow度♡♡♡♡ B4でアップしました    
お酒のお供度♡♡♡♡ B4でアップしました 

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