ハップハザード (1985) – 山岸潤史

ずっと探した末、たまたま手に入れることができました。

A1. Haphazard
 2. Rain
 3. Last Night


B1. Joh-Mon
 2. 39
 3. Flor De Meseta
 4. To Southern Cross
 

向井滋春さん(Tb)、古澤良治郎さん(Ds)の双頭ユニット、ハップハザードの'85年作です。メンバーは山岸さん(G)、津垣博通さん (key)高橋ゲタ夫さん(b)で、過去に共演し気心が知れている人を集めたとのことです。アルバムはこの一枚だけですが、このメンバーでライブをしたり、FMに出演したりと、短期間ながら精力的に活動したようです。いわゆるフュージョンに分類されるかと思うのですが、ヴァラエティに溢れた曲が揃っていて、様々なセッションに参加している達人の多彩なプレイで、流行便乗ではなく、音の一つ一つが深みがあるように感じられます。
本作はずっと探していたのですがなかなか店頭で見つけることができず、レコードは基本的に足で探す派(そんな派があるのか?)なのですが、安価で出ていたヤフオク出品物に浮気し入札したところ、邪魔者が現れ浮気が成立しませんでした。(ちょっと飲みすぎてしまいまして、他に入札もなかったので安心して寝てしまったのですが、終了間際に伏兵が現れたようです。)
その1週間後ぐらいに茶水Unionに行ったら日本人Jazzのコーナーにたまたま置いてあり、即ゲットしました。(レンタル落ちでしたが、おかげで英世さん+硬貨二枚、ヤフオクより、LPの高い送料を考えると断然お得でした。オクで熱くなって競り、値がつり上がってもつまらんので結果オーライでした)ハップハザードのタイトル通り偶然なのでしょうが、必然の出会いを感じました。

<ギターの聴きどころ>

やっと会えたよ、赤ジャケット、という喜びとともに針を下ろすと、クラベス(拍子木?)に続いて、苦手なディストーションギターが・・・ボントロとのユニゾンも歪んでるし・・・これはやられたと思っていたら、急にMellowでJazzyなギターが続いてきました。結構な長尺、ChickenshackでのAt Tempsのようなソロで、一転して大満足であります。(私が聴いた順序が逆なだけで、こっちの方がChickeshackのデビューより1年早いです)バッキングでは、ストラトのハーフトーンによるキレのあるカッティングです。そこはかとない哀愁の漂うA3でもゲタ夫さんのベースソロ&スキャットの後、同様のトーンでのタメるソロでこれまた大満足です。(おそらくIbanezのGB10?)
壮大なB1では、エンディングでよく歌うディストーションソロが聴けます。
B2,B4でのカッティングも見事です。特にB4の装飾音的なウラの三連を交えたカッティングでのリズムキープは真似のできない名人芸です。
70年台の終わり頃から、Blues、Soul、Jazz、Rock、あらゆるジャンルで精力的にセッションを重ねてきましたので、どんな曲にも対応し、どんなプレイもできて、どんな音色も出せるギタリストとして本作でも呼ばれたのだと思います。しかし、決して器用貧乏にはならず、どの曲でも強烈な個性を発揮していて自分の足跡をしっかり残しています。

Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡

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