June Yamagishi /Jack Of The Blues (1993)
Jackとはご謙遜、私の中ではKing Of The Bluesの一人です。
1. Prytania Mambo 2. Bluesiana Boogie 3. Born Under A Bad Sign 4. Mardi Gator Groove 5. Blues Tripper 6. Downhome Medley 7. Funny Not Sunny Kind Of Love 8. 12:23 9. 6/Ace 10. I Need Your Love So Bad 11. Jack Of The Blues
山岸潤史さんの93’年の作品です。New Orleans(1~5,7)とL.A.(6,)8~11)での海外録音でJune Yamagishi名義でリリースされています。N.O.ではDr.John、L.A.ではJaems Gadsonが参加し、日本からも知己の続木さんやホトケさんが駆けつけるなど、充実した布陣でのレコーディングです。それまでも抜群の行動力とハイレベル、ハイセンスな演奏で多くのセッション、レコーディングを行ってきましたが、この時期は、Chickenshackの活動に区切りをつけ、Bernard PurdieやLouis Johnsonとのセッションを行うなど、さらに精力的に活動に幅を広げていた時期です。そんなかでリリースした本作は、自身のルーツであるBluesへの回帰と関心の高かったN.O.への傾倒を1枚にぎゅうぎゅうに詰め込んだアルバムと言えると思います。自らプロデュースも行い、やりたいことを全部盛り込んだようです。ギタープレイの方も、叫び、泣き、ノリ、歌いまくっています。(自身でヴォーカルも取っています)。久々のBlues盤、発売日を待って新品で購入しました。
<ギターの聴きどころ> Dr. Johnの転がるようなピアノからマンボのリズムに乗って、ストラト(この頃はG&Lです)のハーフトーンで軽快なフレーズが入ってきます。八木さんのブルースハープソロ、Dr.johnのソロに続いて、スタッtカート気味に音を刻むソロからテーマに戻ります。 Hound Dog Taylorっぽい2では、John Mooneyのスライドとの共演です。解放弦をうまく使ったBoogieのソロが聴けます。 Westroadのライブでも演っていたAlbert Kingの3では、Funkyなアレンジに乗って自ら歌います。ギターもよりドライブを強め、叫びまくっています。しかし、悪い星の下に生まれたとはすごいタイトルと歌詞です。 4もN.O.のGrooveに乗って軽快にテーマを奏でます。 タイトル通りのBluesの5、スロウなシャッフルに乗せてセクシーにギターを歌わせます。Dr.John、八木さんのソロに続き、ギターも盛り上がり、8分の長さを感じさせません。 6は、Z.Z.Hillのカバーからのメドレーです。Z.Z.に負けず劣らずのボーカルとJohnny Guitar Watsonを彷彿とさせるパキパキ指弾きのギターが熱いです。 一転してムーディーな7、どこかで聴いたことがある声だと思ったら、David T. とも共演しているBarbara Morrisonでした。さらに深みを増した陰影のあるヴォーカルにMellowなバッキングと、後半のタメタメのソロで絡みます。 Johnny TaylorがやりそうなモダーンなBluesの8では、Gadsonのボーカルにレスポンスするクリーントーンでの弾けるようなオブリが印象的です。 Jump Boogieの9ではT.Bone風のプレイで切れ目なく音を刻みます。 多くのカバーがある(Westroadでもカバーしていました)10では、イントロから情感に溢れたフレーズを繰り出し、Gadsonの歌の合間のソロで頂点に達します。ぜひライブで聴いてみたい演奏です。 ラストの11、Funkのリズムに乗って、KingはもういるからせめてJackになるよ!と高らかに宣言しています。叫ぶような激しいソロの後に影響を受けたであろうBliuesmenを列挙しており、先達への深い敬愛を滲ませつつ、幕を閉じます。 山岸さんのプレイ、どんな曲をやっても根っこにBluesがあり、私の中では塩次伸二さんや房之助さん、吾妻さんと並んで世界に誇れるKing Of The Bluesの一人です。
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
リンク
上記3曲目のJune Yamagishi /Jack Of The Blues (1993) 3曲目(Born Under A Bad Sign)のみYouTubeにアップされていませんが、アップの予定ありませんか?
ご覧いただきありがとうございます。
ページにアップしました。
山岸さん自身のヴォーカルも熱いですね。