The Crusaders / Hollywood (1972) - David T. Walker
Wahなしでのプレイを聴いてみたかった・・・・
A1. Spanish Harlem 2. Try A Little Harder 3. Hollywood 4. Do Yourself A Favor B1. Cold Duck Eddie 2. Way Back Home 3. Papa Hooper's Barrelhouse Groove 4. Alekesam The Crusaders の'72年の作品です。Jazz Crusadersから名前を変えての1作目で、Stewart Levineのプロデュース、Motownの関連レーベルであるMo Westよりリリースされています。メンバー4人に加え、裏ジャケにはArthur Adams(g) David T.Walker(g)、Chuck Rainey(b)、Reggie Johnson(b)もクレジットされています。これ以前の作品をあまりちゃんと聴いてないのですが、ギターを本格的に加えた最初の作品と認識しています。 それまで見かけなかった(見過ごしていた?)こともあり購入したのは’00年ごろで、クルセのアルバムとしてはかなり後に入手したことになります。その他のレコードがほぼワンコインだったのに反し、本作は1000円以上であったと記憶します。(時系列的には遡って聴いたことになります。)時代のせいか、リバーブ感のない乾いたサウンドで、後に加えられるおしゃれテイストはほとんど感じられませんが、逆にストレートに無骨な魅力が伝わってくるところもあります。
<ギターの聴きどころ>
先述の通り、ギターはDavid T.とArthur Adamsです。長いクルセとの付き合いがこの頃から始まっていたものと思われます。 基本、David T.が左で、Arthur Adamsが右と思います。 A1はBen E.やArethaのカバーを先に聴いていたのでLatin調のイメージが強かったのですが、本作では、Sampleのピアノでしっとりと始まり(David T.はお得意のテロリロフレーズです)、David T.のWahを駆使した粘っっこいフレーズに導かれ、AdamsのカッティングはじめFunkyなビートに変わっています。Wilton Felderのテーマ、Hendersonのソロの後ろでも、ところどころでWahを使つつリフ・コードカッティング(ずらしも)・オブリとフリーに煌びやかなプレイをしています。 A2もハードなビートに乗ってリフをユニゾンし曲に参入します。 右のAdamsともども、要所しか弾かないところが興味深いところです。 A3はBluesRockっぽいリフがセンターに居座りますがこれはどっちでしょう?右にAdamsと思われる歯切れの良いカッティング(後半はWah)が聴こえるのでので、まさかのDavid T.でしょうか? Stevie WonderのカヴァーのA4でも左Wah,右カッティングのコンビネーションです。 B1では、重いGrooveに乗って右がリフやオブリ、左が単音等のバッキングで右のAdamsの方が目立っていますが、後半で突如ソロが入り、ややダーティーなサウンで、荒々しさも感じられる火のようなプレイを聴かせてくれます。 代表曲の1つであるB2(再録のようです)、ギター面では"Scratch"でのCarltonのバッキング、後年のGadd Gangや山岸さんとPurdieのライブでのプレイが聴きごたえありますが、本作では堅実な左右のコンビネーションで主役を支えています。 JB'sを思わせるFunkyなB3,左右ともWahを駆使したサウンドでGrooveを作っています。 B4,重ねだとは思うのですが、左右からアコギの音がきこえます。右が力強いカッティング、左はミュートを効かせたプレイを中心にところどころテロリロのオブリが聴こえます。右は後半に行くほどエレクトリックなサウンドに変化しており、ダーティーなサウンドと甘いサウンドが交錯します。David T.のアコギプレイ非常にレアです。あるいはByrdlandにマイクを立てて録ってる? 本作では、持ち味のMellowなプレイよりも、Funkyさ、荒々しさが前面に出ています。そのためにWahを多用していますが、個人的にはWahなしのプレイで聴きたかったと思っています。ソロ作でも70年代前半までは結構Wahを使ってますが、無くてもピッキングとフィンガリングでWahのような表現ができるため、むしろニュアンスが薄まるのでは?(Wahファンの方すみません)
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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