Cornell Dupree / Child’s Play (1993)

子供の遊びではありませんでした。

 1. Bumpin'
 2. Short Stuff
 3. Putt's Pub
 4. For Blue's Sake
 5. Child's Play
 6. Smooth Sailin'
 7. Ramona
 8. Just What You Need
 9. Mr. Bojangles







Dupree の'93年のソロ作品です。この頃は、2〜3年おきにコンスタントにアルバムを制作しており、前作”Can’t Get Through”同様のメンバーに加え、Will LeeやRandy Breckerなど、N.Y.の有名どころも参加しています。プロデュースは奥様、息子さんとの共同で、前作と同じAmazing Records(Texasで設立されたマイナーレーベルのようです)からリリースされています。メジャーでない分、セールスを意識した会社側の圧力は大きくなく、家族ぐるみで自分が本当にやりたいこと、好きなことをやったという印象があります。(ジャケットのデザインも。大手だったらこのデザインはないでしょう)
前作は中古で買ったのですが、自分の好みにドンピシャだったので、本作は発売と同時に新品で買いました。ちょうどJazzFunkやRare Grooveが盛り上がる直前で、Adlibなどの紹介も大きくなかったと記憶しますがTowerだったかVirginだったか忘れてしまいましたが会社を定時に上がって買いに行った記憶があります。



<ギターの聴きどころ>


勢いのあるBoogieの1、軽めのMedium Funkの2、ハネるSoul Instの3、SlowBluesの4、時に粘っこく時に軽やかなDupreeのプレイが堪能出来ます。一杯飲みながら聴くのに最適で、アルバムタイトルとジャケット写真のChild’s Playは何かの間違いではと思って聴いていたところで、5で曲調が一変、タイトル通りの子供にも安心して聴かせられる和やかなメロディが流れてきました。中間部のコーラスには奥様も参加し、ファミリーなムードも漂います。しかし、我慢できなかったのか、中間部のソロ以降は急にタメやツッコミを効かせ始め、いつものDupree節に戻リます。Grooveが素晴らしいJazz Funkの6、Jazzyさも感じさせる7でのネチッこいプレイを挟んで、8ではメロウさを前面に出した曲に変わります。微妙にタイミングや音程をコントロールするチョーキング、ダブルストップ、スライドなどを駆使し、過度に感情移入せず涼しげにメロディを辿っていくプレイが見事です。多くのカバーのある9ではアルペジオとメロディを組み合わせたような独特のプレイが進んでいき、ソロでは空間をうまく使いながら、他の曲より少し硬めのサウンドで、心の赴くままに音を紡いでいきます。二人はできているのでは?と勘ぐりたくなるほどのRandy Breckerとの素晴らしいコンビネーションで、7分の長さを全く感じさせない名演に仕上がっています。演る方も聴く方も酔うプレイです。ヴァラエティに富んだ曲が集められましたが、どの曲でも根っこに流れているのは自身のルーツであるBluesで、Dupreeならではのユニークな個性で色付けされた珠玉のプレイです。同じ年の日本でのライブの”Coolin’ ‘N Groovin’ “、直前で体調不良のためDavid T.が代役を務め日本でのDavid T.人気に拍車をかけましたが、Dupree が予定通り参加していたら、Dupreeの日本での人気や活動がもっと盛り上がっていたかも知れません。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
お酒のお供度♡♡♡♡♡

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