Margie Joseph / Margie Joseph (1973) - Cornell Dupree
Wahがなければ満点だったのに・・・残念!
A1. I Been Down 2. Make Me Believe You'll Stay 3. Let's Stay Together 4. Turn Around And Love You 5. I'm Only A Woman 6. Let's Go Somewhere And Love B1. You Better Know It 2. Touch Your Woman 3. I'll Take Care Of You 4. I'm So Glad I'm Your Woman 5. How Do You Spell Love 6. I'd Rather Go Blind Margie Josephの'73年の作品です。Stax/Voltで2枚のアルバムを残していますが、鳴かず飛ばずだったようでAtlantic移籍後の1枚目になります。プロデューサーのArif MardinもAtlanticも第二のArethaとして売り出して行きたかったようで、レコーディングメンバーも同時期のArethaのバックと被ります。南部のMississippi出身で、本作では、取り上げたカバー曲のせいもありますがN.Y.の都会的な雰囲気よりもSouthern Soulのテイストを強く感じました。(A3,B2,B3,B6など)。 75年のMargieを聴いてヴォーカル、バックサウンドとも気に入り、本作も裏ジャケのクレジットやA3はじめとするカバー曲などを見て欲しかったのですが、CD再発されていなかったためか、いつもなかなかいい値段で泣く泣く見送っていました。確か2007年だったかと思いますが、CDが発売されたのでまずそちらを買い、その後値下がりしたLPを買いました。内容はヴォーカルも、ヴォーカルを一体になって盛り上げるバックの演奏も想像していた以上に素晴らしく大満足です。
<ギターの聴きどころ>
裏ジャケのクレジットによればDupreeは全曲参加で、A2,A4,A6,B1,B2,B4,B6 はHugh McCrackenとのコンビで、それ以外はDavid Spinozzaとのコンビで参加しています。基本左Dupree,右McCracken、Spinozaと思います。
冒頭からアーシーなA1で驚きますが、Margieのシャウトを支える二人のコンビネーションが全体をさらに黒塗り上げています。中間のDupreeのプレイがJazzyな音使いです。
A2はMargieの可憐な部分を強調した曲で、ハイトーンで切なく歌い上げています。左のWahがDupreeで右のアコギが McCrackenでしょうか?毎々思うのですが、ニュアンスが持ち味のここに登場するギタリストの方々、Wah不要なのでは?(Wah Wah Watson除く)
名唱の呼び声高いAl GreenのA3、ギターはシンプルなカッティングです。後半のPurdieとRaineyのコンビネーションがかっこいいです。
BluesyなスロウのA4では、Dupreeが本領発揮し、フィンガーボード上で弦をこねくり回すようなフリーなオブリで絡んできます。後半は珍しくほとんど弾きっぱなしです。
Teeのエレピが美しいA5,この曲からは右に引っ越してダブルストップのスライド等、味わい深いバッキングを聞かせてくれます。
滅多にやらないスライドバーでのプレイが入るA6のオブリも見事です。
Thinkを思わせるジャンプナンバーのB1でもWahを使ったオブリ、カッティングで、硬いトーンでの右のカッティングもDupreeっぽいです。
カントリーのカバーのB2、N.Y.録音とは思えない南部の香りに溢れた曲です。ここでもWahプレイです。
Bluesyなスロウの、硬質なサウンドでヴォーカルとコールレスポンスし、Dupreeの泣き節が堪能できて、ギター的には本作のハイライトです。しかしなぜBobby Blandのカバーを入れた?(Blandのバージョンももちろん素晴らしいです)エンディング近くではSpinozzaもオブリ参戦して大盛り上がりです。
一転してほのぼのとするB4,ここでもピッキングの強弱でニュアンスをつけるバッキングが美しいです。弱どころか、弾かないところもあります。
FunkyなB5のもう一人の主役はRaineyではないでしょうか?なんとなくとぼけた味も感じられますが縦横無尽なフレーズが見事です。
多くのカバーがあるバラードのB6、Etta JamesやKoko Taylorとは違った印象を受けますが、ラストを締めくくるにふさわしい感動的な熱唱です。でも、ここでもWahは余計に感じました。エンディングの絡みなど特に!時代なのでしょうか?
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ Wahが異物混入に思えます。 |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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