Mighty Sam McClain / Live In Japan (1986) – Wayne Bennett、北島徹

熱唱を支える安定のバッキングと圧巻のソロです。

A1. Fannie Mae
 2. Sweet Dreams
 3. Forgive & Forget
 4. Gone For Good
 5. Whatever It Takes

 
B1. A Change Is Gonna Come
 2. The Lord Will Make A Way
 3. In The Same Old Way
 4. The Blues Is Alright

 


 
Mighty Sam McClainの'86年のライブ盤です。Louisiana出身のSoul/Bluesシンガーで、'66年にA2でデビューしています。その後、単発で数枚のシングルレコーディングを行うもなかなか日の目を見ることがなく、実力に比して不遇な時期が続きましたが、Deepでダイナミックなヴォーカルは日本に根強いファンが多く、なんとWayne Bennettを伴っての来日ライブが実現しました。(会場は他にも多くのBluesmanがライブを行った渋谷のライブインです。)バックを務めるのは2管とオルガンを含むThe BackBeatsで、おそらくリハの時間も不十分であったと思われる中、SoulやBluesを知り尽くした演奏でSamが歌いやすいようにバックアップしています。
本作は、上京後よく通っていた渋谷芽瑠璃堂の松田さん(BluesHarp奏者)から紹介されて買いました。David T. が好きだと話したところ、Wayne Bennettの演奏が良い、バックはお前の先輩(ギターの北島さんとドラムの須貝さんが私が在籍していた音楽サークルのOBだと教えてくれました)といって出してくれたのが本作でした。裏ジャケにはByrdlandを弾くオッチャンが!故人がWayne Bennett?
中古盤を少し値引きしてくれました。(松田さんはじめ、芽瑠璃堂の店員さんは異様に音楽に詳しく、初心者の自分に色々と教えてくれました。時には「そんなの聴いてちゃダメ!」という厳しいご意見もありましたが)それまで、オムニバス盤"Soul Deep"収録の「Love Bone」をすでに聴いており、迫力にあふれたシャウトを気に入っていたので、Bobby Blandのストマンで聴いていたWayne Bennettのギターともども期待しながら家路を急ぎました。




<ギターの聴きどころ>

早速針を下ろすと、前振りに続いて、Roy MiltonのJump BluesのA1が始まりました。バンドと一体となったSamの熱唱で初っ端から盛り上がります。ここでは2本のギターはバッキングに徹しています。
デビュー曲のA2,実に20年以上歌い込んでいるだけあって抑えるところとシャウトの使い分けも見事です。右の北島さんがベーシックなバッキング(マッスルショールズのギターサウンド/フレーズでサザンソウルを知り尽くしているプレイです)で、左のBennettがフリーにオブリやソロをプレイしています。
A3は本ライブで初お披露目の新曲のようです。しかし、バンドは旧知の曲のようにしっかりバックアップしています。北島さんのシャープなカッティングに対し、Bennettは微妙にリズムに乗り切らないようなプレイをエンディング付近で繰り出します。
Bobby BlandのA4,SamのヴォーカルもBlandを意識したような節回しとシャウトです。北島さんのエンディング付近の指弾きと思われるオブリが光ります。
スロウのA5も初お披露目とのことです。いわゆる「泣かせ」系の曲で、美しいメロディをドラマティックに歌い上げます。(大好きな曲の一つです。)伴奏の主体はピアノですが、Bennettがエンディング付近でチロチロと小音量のオブリを入れています。(ミキシングでヴォリューム下げられた?)こういう曲、David T. がオブリを入れたら・・・などと不謹慎な想像をしてしまいました。
もはやスタンダードと言えるB1,北島さんの的確で味わい深いバッキングが印象的です。Bennettも負けじと細かいオブリを入れてきていますが音量が小さいです。(ミキシングでヴォリューム下げられた?)
Al GreenのB2,alのヴォーカルとは異なるシャウトを北島さんのギターはじめバンドが盛り上げます。ここでも北島さんの緩急のあるバッキングとBennettのオブリの絡みが聴けます。オルガンとドラムも参戦し、バンド一体となったGrooveします。エンディングのギターは、北島さんがシンプルな繰り返しフレーズ、Bennettが細かいフレーズと対照的です。
Joe TexやArthur Conreyなども歌っているB3、ここでも歌い込むSamに絡む北島さんのアルペジオ+オブリが映えます。
間髪入れず続くBlues賛歌のB4,Bennettの年季と貫禄のフレーズからスタートします。中間部でも圧巻のソロを聴かせます。北島さんの定石通りのバッキングも見事です。Sam、バンド、観客一体で盛り上がりレコードが終わります。目の前で聴きたかったライブの一つです。
ギター面では、北島さんの典型的なテレキャスの音に対し、少しドライブさせたBennettのByrdland(David T.と同じギターとは思えない!サウンドを決めるのは機材よりも本人のプレイスタイルなのですね)のサウンドの違いも楽しめる1枚です。
Samは、本作が復活のきっかけの一つとなって、'90年以降Blues'n Soulな数枚のアルバムをリリースします。(集めました!)本作には及びませんが、どれも充実した内容、ぜひ探して聴いてみてください。




Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡♡

CDが出ていたのですね。知りませんでした、曲が多い!買わねば

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