Paul Anka / The Music Man (1977) – Larry Carlton

上質なAOR、ギタリスト多勢ですがメインはCarltonと思います。

A1. Dannon
 2. Slowdown
 3. Jealous Lady
 4. Everybody Ought To Be In Love
 5. A Mexican Night
 
 
B1. Second Thoughts
 2. My Best Friend's Wife
 3. My Little Girl's Become A Big Girl Now
 4. If I Had My Life To Live Over
 5. Tonight
 6. Music Man



 
 
Paul Ankaの'77年の作品です。全曲自作曲で、西海岸を中心とした腕利きを集めた豪華な顔ぶれがバックを務めています。Paul Ankaについては、「ダイアナ」「君は我が運命」を歌った人、「マイウェイ」に歌詞を付けた人、程度の認識しかなく、おっさんやおばさんが聞くオールディーズの人だと思っていました。従いまして積極的に聴こうと思ったことは一度もなかったのですが、自分には珍しくUnionのRock館でPaul Butterfieldの"Better Days"を探しているとき、ついついいつもの癖で裏をひっくり返しながら1枚1枚レコードをチェックしていたら、本作に行き当たり、裏ジャケにCarltonの名前を発見しました。よく見たらTOTOのメンバーなどすごい顔ぶれ、しかも皆様AORブレイク前の急成長期(と勝手に思っていました)の77年もの、これは聴かねばと思い、運よく見つけた"Better Days"と共に手に取り、レジに向かいました。"Better Days"はUSA盤で2000円ぐらい(ジャケットボロボロ)、本作日本盤の中古(割とキレイ)で300円でした。

<ギターの聴きどころ>

個別曲のクレジットはありません。ギターは、Carltonの他にBen Benay, Dan Ferguson, Elliot Randall, Fred Tackett, Jay Graydon, Tom Tedescoと書かれています。Guitar Sectionとして総勢7名、Tom Tedesco以外は、弊ブログで紹介した作品に参加しています。さて、
本作、Carltonはどの曲に参加しているのでしょうか?
A1はクランチのイントロ、フロントピックアップのカッティングから中間でサウンドが変わりダブルストップのスライドに続きブリッジ付近でピッキングしていると思われるキメ、この左のギターがCarltonでは?右もCarltonの重ね?
メロウなA2、やはりブリッジ付近でピッキングしていると思われる独特のサウンドでのバッキングの左(Minnie Ripertonで聴かれるサウンド)、チョーキングによるタメの効いたオブリの左、いずれもCarltonのように思えます。
爽やかなA3,ここでも左のナチュラルトーンによるバッキングやオブリはCarltonと思います。
ミディアムスロウのシャッフルA4,イントロの右は哀愁漂うプレイですがCarltonではない気がします。
エキゾチックなムードのA5、イントロや間奏部での左右センタードライブトーンでのハモリのリフ、中間以降のオブリ、少なくとも一人はCarltonでしょう。全部Carltonの重ねかもしれません。
B1,左は煌びやかなサウンドのアルペジオ、右はヴァイオリン奏法です。中間部は左右のハモリのソロですがこれは全てCarltonでは?
不倫を爽やかなメロディーに乗せて歌うB2,これぞCarltonというフレーズはありません。
一転して成長した愛娘を心配し、寂しがるB3,間奏の終わりにピンポイントで入るヴァイオリン奏法はCarltonでしょうか?
失恋の歌ながら暗くないメロディーのB5,左のカントリー調のギターが活躍しますが、これもところどころCarltonらしさが感じられます。
ポップなB5,左のリフがCarlton?
ラストのスロウ、左のアルペジオ、右寄りセンターヴァイオリン奏法ともCarltonと思います。
名前の載ったギタリスト、皆様一流のセッションミュージシャンなので断言できないのですが、概ね以上のとおり推察します。
それにしても、LP1枚通じて上質なAOR、オールディーズの人などと敬遠していた自分の先入観、探究心のなさを反省しました。Paul Ankaの他のアルバムにもCartonが参加しているようなので、探して聴いてみます。











Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

CD復刻はされていないようです。

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