Paul Jackson Jr. / Never Alone: Duets (1996)

サウンドも体型も丸くなっていますが、その分刺さるものがありませんでした。(私には)

 1. Da Boardwalk (Featuring, Vibraphone – Harvey Mason)

 2. Reunited (Featuring, Acoustic Guitar – Earl Klugh)

 3. Wild Beneath My Strings (Featuring, Alto Saxophone, Bass Clarinet – Tom Scott
                             Featuring, Soprano Saxophone – Najee
                             Featuring, Tenor Saxophone – Gerald Albright)

 4. Soulful Strut (Featuring, Guitar – Ray Parker Jr.
                   Featuring, Tenor Saxophone – Kirk Whalum)

 5. People Get Ready (Featuring, Lead Vocals – Ali-Ollie Woodson)

 6. Knighttime (Featuring, Keyboards – Joe Sample
                Featuring, Tenor Saxophone, Soloist – Wilton Felder
                Featuring, Trombone – George Bohannon)

 7. Where Is The Love (Featuring, Lead Vocals – Howard Hewett, Jasmin)

 8. Let's Start Again (Featuring, Lead Vocals – Tim Owens
                       Featuring, Lead Vocals, Backing Vocals – Sharlotte Gibson)

 9. End To A Perfect Day (Featuring, Flute – Najee)

10.Short And Suite (Featuring, Clavinet, Soloist – George Duke
                    Featuring, Drums – Alphonse Mouzon
                    Featuring, Percussion – Sheila E.
                    Featuring, Piano, Organ – Kevin Toney
                    Featuring, Synthesizer [Mini Moog], Soloist – Jeff Lorber)




 


 
Paul Jackson Jr.の'96年のソロ作です。70年代後半より、ブラコン(死後か?)を中心に非常に多くのレコーディングに参加したセッションギタリストですが、スタジオが忙しすぎたのか、本作が4枚目にあたります。タイトル通り、ゲストをフューチャーし、自作曲やカバーを自身のギターとデュエットしている企画盤です。(各曲のゲストは曲の後ろにカッコ書きしました。豪華です!)
私が集めたレコードやCDにも数多く参加しており(弊ブログでもいくつか取り上げております)、私の中ではチャリーン、チキチキのリズムギターサイドマンのイメージしかなく、リーダー作を買うのは本作が初めてでした。ジャズライフだったかアドリブだったか忘れましたが、本作(輸入盤)リリースの記事が出ており、大好きな5をAli-Ollie(Tempsのリードもやった人)が歌っており、他にも2,4,7,などのお気に入りの曲をカバーしているので、珍しく新品で購入しました。ジャケットではなんとレスポールカスタムを持っています。(これまで聴いたリズムギターでは、ストラトのハーフトーンをトレブル10、ミドル0、ベース0ではないかと思われるほどトレブリーなサウンド+コーラスのイメージでしたので意外でした。)一体どんなサウンドなのでしょうか?





<ギターの聴きどころ>

早速聴きます。1、無機的な打ち込みリズムにエセ美メロのスムースジャズが始まりました?ギターのサウンドもシャリーンじゃありません!中味間違ってない?でも次のを聴くと2はバックは打ち込みでチープですがPeaches & Herbのあの曲と同じイントロです。見事な宗旨替え!オクターブ奏法を駆使したギター、サウンドもプレイも美しいのですが心がこもっている気がしません・・・Klughさんのアコギだけが人肌の温もりを感じさせます。
3もJ-WAVEのBGMのようで心に響きません。
師匠のRPも参加する4,ペケペケ VS シャリーン対決を期待しましたが、後半にWahソロ登場するもスムーズです。リズムギターもフェイズで誤魔化していて、RPまで毒気を抜かれてしまった?
続く5,Ali-Ollieのヴォーカル、さすがの迫力と表現力です。低音部など、時々Galeを思わせるようなフレーズのギターも悪くありませんが、もっと感情こめていただけないでしょうか?
6ではドライブサウンドに変わりますが、Joe SampleやWilton Felderと比べると薄味です(CarltonやRobbenだったら・・・と思ってしまいます)
7でも、ヴォーカルに対して、次々と流れるようにフレーズが出てきてなめらかなのですが、少し物足りないですね〜
むしろ、8ぐらい音数を減らした方が好ましくきこえます。
9もキャッチーですが、「作りもん」感が否めません・・・
10のディストーションサウンドも、器用さというか引き出しの多さは感じるものの・・・という感じです。ただ、この曲のバッキングが唯一、私のイメージに近い感じがしました。
アルバムを通して、(スタジオ仕事同様)譜面を見ながら弾いているのではないかと思えるようなサウンドとプレイです。
上手いし、ソツがないのですが、その分、飛び抜けた個性や、1つの音にかける情熱を感じません。Ritenourさんに近い?多くのスムースジャズのギタリストに言えることなのですが、Bluesフィーリングを感じません。(音使いや奏法ではなく本質的に)
以上、批判的なコメントばかりになりましたが、シャンパンよりはバーボン、ロールキャベツよりはモツ煮込み、エグザイル(ちゃんと聴いたことないけど)よりは松崎しげるが好きな、クセの強いもの好きな私の好みと合わないだけです。BGMとして聴いたり、コピーして練習の題材にするにはいいのかもしれません。なお、これ以前の3作、この後の作品もいくつか聴きましたが同じような印象です。従い「ながら」作業の時しか聴いていません。(ただし「飲みながら」は除く)
この後、ギターもシグネチャーのES346やPRSのホロウなどに変わっていき、サウンドも自身の体型もますます丸みを帯びていくこととなります。やっぱり、私にとってのPJ.Jrはシャリーン、チキチキなのです。





Emotional度♡♡♡
Bluesy度
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度
なめらか度♡♡♡♡♡

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