Raydio / Rock On (1979) – Ray Parker Jr.

流し目とキレッキレのカッティングをお楽しみください。

A1. What You Waitin' For
2. Hot Stuff
3. You Can't Change That
4. Rock On


B1. More Than One Way To Love A Woman
2. When You're In Need Of Love
3. Goin' Thru School And Love
4. Honey I'm A Star




Ray Parker Jr.率いるRaydioの'79年の作品です。13歳よりプロとして活動を開始、本作発売時点のインタビューで「全米ヒットチャート上位100曲のうち15〜20曲は僕がギターを弾いている曲だ」(本作のライナーノーツより引用)との強気の発言がある通りセッションギタリストとして引っ張りだこの超多忙な時期であり、2ndの本作もRPJ自身がソングライティング、プロデュース、アレンジを担当し、歌と演奏と共に非凡な才能を発揮しています。セールス的にも前年のデビュー作同様ゴールドディスクに輝くヒットとなり、とうとうジャケットにも登場した流し目とともに女性からの人気もうなぎ登りであったそうです。
先行してCD再発された"A Woman Needs Love"以降の一連の作品がエサ箱の常連であったにも関わらず、本作は長らくCD化されなかったためか、私が購入した90年代の中頃にはタマ数もそれほど多くなく値段もそれなりでした。日本盤の中古LPが2500円くらいだったかと記憶します。

<ギターの聴きどころ>

大ヒットした"Woman Needs Love"や"GoastBuster"の印象や抑揚のない軽い歌い口から軽薄なブラコンのイメージが強くコアなSoulファンからは敬遠されがちなRPJ、本作も全体的にはライトでポップな仕上がりです。しかし、ことギターの面ではシャープという言葉では語りきれないコードカッティングやシングルトーンカッティング、ユニゾンチョーキングのオブリなどOne And Onlyの特殊なプレイスタイルとサウンドを持っており、本作でも随所で聴くことができます。このLPでは特にA2のカッティング友達のCharles Fearingとのコンビネーションプレイが必聴です。(左のややツッコミ気味のプレイがRPJ、右のややタメ気味がCharles Fearingと思います)
この独特のサウンド、'80年代のギターマガジン等のインタビューによると、
 ①極細の弦(1弦008〜)
 ②極薄のティアドロップピックの肩(丸い部分)でピッキング
 ③深くピックを持ち、親指、人差し指、中指でハーモニクス音を出しながら逆アングルでピッキング
 ④極薄の人格と特濃のスケベエ根性を加味(これはジョークです)
でプレイしており、イコライザー等は一切使ってないそうです(ピックアップはハム/シングルに拘らず、主にリアを使っているとのこと)。写真で確認する限り、レスポール(デラックス、レコーディング)、ストラト、335、ヤマハSFなど結構無節操に色々なギターを使っていますが、種類に関係なく皆同じ音が出ているところはさすがです。どうしてこういうサウンドと奏法を編み出したのか全く不思議ですが、教則本や譜面ではでは学ぶことができない個性です。
なかなかに中毒性の高いサウンドとプレイ、Raydio解散後の作品では流し目の強化と反比例して徐々に薄まっていきますので、本作で堪能頂ければと思います。若干薄めですが、メロウな曲もイケます。




Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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