Raydio / Raydio (1978) – Ray Parker Jr.

いつもの癖の強いプレイがふんだんに聴けますが、全体的な軽さが否めません。

A1. Is This A Love Thing
 2. You Need This (To Satisfy That)
 3. Betcha You Can't Love Me Just Once
 4. Honey I'm Rich

 
B1. Jack & Jill
 2. Me
 3. Let's Go All The Way
 4. Get Down
 


 
Ray Parker Jr.率いるRaydioの'78年のデビュー作です。10代からセッションギタリストとして活躍、弊ブログでもやHerbie Hancockなど参加作を多数取り上げています。(ナンパなギタリストとしての妄想与太話も多数書かせていただいております。まず数のセッションで頭角を現し、77年に自身のユニットRaydioを結成、翌年にはAristaとの契約に漕ぎ着け、本作のリリースに至ります。ギタリストとしてだけではなく、コンポーザー、プロデューサーとしても非凡な才を発揮し、本作でも多くの役割をこなしています。セールス的にも成功を収め、シングルカットされたB1がシングルチャート8位まで上り、アルバムとしてもゴールドディスクを獲得し、名実共にスターの座に上り詰めました。
この後の大ヒット作"A Woman Needs Love"以降の作品はSoulの安箱からワンコイン以内で購入できたのですが、本作と次作の"Rock On",三作目の"Two Places At The Same Time"は、なかなかCD再発されなかったためか、常に結構な値段がついており、本作もジャケットがボロい日本盤の中古を2000円ちょっとで購入しました。RPのファンとしては買わずにはおれません!
(それほどの額でもないけど)

<ギターの聴きどころ>

A1、右のオートワウによるシングルカッティングからスタートし、センターの効果音的なトレモロフレーズ、右のフェイザーカッティングと、ヴォーカルのバックでのドライブサウンドのリフと次々とギターが重なってきます。どれも独特のリズム感で音を刻んでおりドラムとベースと共にGrooveを作ります。しかし、なんとなく軽く感じてしまいます。
ミディアムFunkのA2も左右からRPならではのプレイでコンビネーションを作ります。ホーンの返しやコーラスも華やかで、ベースもチョッパーで盛り上げ、全体的にウネリがあるのですが腰に来るようなヘヴィさは感じません。
A3も左右のコンビネーションギターでスタートし、気取ったRPのヴォーカルとコーラスの合いの手がメロウさを醸し出します。
RPカッティング全開のA4,盟友Wah Wah Watsonも参戦します。ギターの癖の強さとは対照的に、曲自体はキャッチーな軽さを感じさせるもので、力の抜けたRPのヴォーカルと不思議にマッチしています。合いの手のシャウトは誰?
ヒットシングルのB1もコアなSoulファン、Funkファンからは軟弱と見做されかねないポップな曲ですが、歌詞は裏腹に教訓的で意味深な内容のようです。歌詞の意味がわからないほうが踊れるかも?ギターは本作の中では比較的シンプルなプレイですが、お得意のカッティングの合間に入れるユニゾンチョーキングは外せないようです。
再びFunk路線のB2,ベースも含めてエフェクトの強い弦楽器達で、ライブサウンドのロングソロ(Ernie Isleyを狙った?山岸さんも弾きそうなフレーズです)も飛び出しますがやはりヘヴィな印象をうけません。
爽やかメロウ(エロ?)路線(この後もアルバムに1曲はこの路線が入ります)のB4、ギターはエフェクトが強いサウンドですが抑えたプレイで、オブリはベースに任せています。
ラストのB4はインストです。ここでも左右のギターがコンビネーションで、ドラム、ベースと一体になってGrooveを作っており、ドライブソロも出てくるのですが、関わらずなんとなく軽い感じです。
アルバムを通して、ドラム・ベースは重く、癖の強いギターとの組み合わせもバッチリなのですが、全体的に軽さを感じてしまいました。その原因を考えてみたのですが
①RPの力の抜けたヴォーカルが一本調子すぎる。(同じ曲でもTempsのリードだったら全然別物になったでしょう)
②変な呻き声?唸り声?が嘘くさい。
③上物となるアナログシンセがウニョウニョしていて浮いている
④コーラスもおしなべて力が入っていない。
⑤RPの持ち前の軽さが滲み出た。
⑥私の脳内にRPのニヤけた流し目が定着しており、RP=軽薄で軟弱なという先入観にとらわれている。
といったところでしょうか
この後押し寄せるライトなブラコンブーム先取りし、確信犯的に売れ線を狙ったのであれば流石の嗅覚です。ギターのスタイルは一切変えていないのである意味一本筋は通っており、実は骨のある人なのでしょうか?





Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡
リズムギター界の明石家さんま度♡♡♡♡♡♡♡♡(さんまさんすみません)

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